配信後.*・゚ᶻᶻᶻ
君の元へ、ただいま!
。❀·̩͙꙳。
────ガチャッ
「お邪魔しまーす!……っと。……んぁ? 寝てるの?」
「おーい! 今日はせっかく私が……いや、いっか。しゃーない、今だけは寝かせてやろうじゃないか」
「んでも、まだちょーっとばかし時間があるからなぁ……どーしましょ」
────コソコソ
「……あっ、そーだ♡ ほんとに起きてないんだよねー?……私がせっかく来たのに、寝たフリなんかしないもんねー?」
「んふふ……わたし様が耳元で囁いてやろうじゃないの」
────ヒョコッ
「よっ……と。……んん……こ、こんにちはー……?……待って、ダメだ。私そーゆージャンルでやってないから全然分からん……」
「一旦止め一旦止め。……ここは文明の利器に頼ろうじゃないの。私の愛しのスマホちゃん……画面流石に見にくいな、こんなバッキバキになってまで使い続けてる私もアレなんだけどー……っと」
────タッタッタッ
「……」
────タッ
「……あっ! っと、いけないいけない。大きな声出したらびっくりしちゃうよね。……ごめんね?」
「ん……良かった、起きてないみたい。……へぇー、ASMRってこんな風にやるんだぁ……」
「……んー……何か、ちょっとアレだなぁ……えっちというか、なんてゆーか……」
「……っ」
「や、やっぱナシ!! わたし様にこんな事やらせたなんて、オタク君達に知られたら君、マジのガチで火炙りだかんね?! 知らないからね?!?!」
「そ、そもそも……まだ告白もして貰って無いのに……さぁ……? 不健全ってゆーか、その……まだ早いじゃん……?」
「……む」
「人がこーんなに悩んでるとゆーのに、君は呑気にお昼寝……いや、夕寝? ですかぁー??……ほんと、お気楽な事で」
────ガタッ
「……あー!! 何か嫌味みたいになっちゃった!! ごめんね!! わたし様はリアルでもVでも健全でさっぱりしたキャラが売りなの! 嫌味とか陰口とか言わないの!!」
「でも……今のはほんとに嫌味のつもりじゃなくてね……? 起きて欲しいなーって、わがままなの……。それくらい、許してよね……」
「……。……はい! ジメジメタイム終わりっ!! 私が勝手に暗い気持ちになってたら、起きて来た君に、まっすぐな気持ちでおはようって言えなくなっちゃうもん!」
「それは……絶対嫌だから」
「……君にはね、私と居る時間は、どんな瞬間だって楽しいって思って欲しいんだよ。それは勿論……配信中でも、こうやって画面越しじゃなく、直接会ってる時もそう」
「わがままだって思う?……だって、女の子だもん。……きな人には、いつだって楽しいって……もって欲しいし……」
「……」
「……君もそう思ってくれてるのかな。……ねぇ、早く起きて……そしたらすぐにさ、私の事、どう思ってるのか教えてよ。嘘偽り無い、君のほんとの気持ち」
「ずっとずっと、待ってるんだよ?」
「……真面目な君にとっては、Vに彼氏が出来るとか、そういうのってダメだって思ってるのかもしれないけどさ……」
「いや、それ以前に……君は私の事、推しのVって思ってるだけで、そーゆー感情は無い?……の、かな」
「……」
「……でも、いつか絶対、意地でも言わせてみせるから。……分かってるでしょーね! わたし様に不可能って文字は無いのよ!!」
「だから……さ。まずは起きて、しばらくは私といつも通り……君はコメントを打って、私は配信して……の、楽しい毎日を過ごそうよ。それから考えよ?」
「……ちぇー、まだ起きないかぁ」
「……」
「あ、もうこんな時間!……もうちょっと君の寝顔を眺めてたかったけど、……言ったでしょ? 今日の記念日は、『私』と『わたし様』からのプレゼントがあるって」
「だから……楽しい限定配信のあとは、『私』の番」
「あんまり得意じゃないから、君みたいに美味しくは出来ないと思うけど……頑張って作るから、さ?……だから、ちゃんと出来上がるまでには起きてよね!」
「絶対……絶対だから……っ!!」
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