第11話クラスメイト視点狼とダンジョン
《皇勇人視点》
僕は常にナンバーワンだった。
女の子にもモテ、勉強も運動も常に1番。
こっちの世界でも勇者だ。
しかし葵だけは僕のものにならない。
それもこれも……あの春風とか言うやつのせいだ!
絶対に許さない……!!
《海堂夏海視点》
私たちは職業に着いたあと王城に帰り訓練を受けた。
皆きついきつい言っててこっちまで気が滅入りそうだった。
真斗はどっか行くし……あいつ1人だけ楽しやがって!
帰ってきたら説教してやる!
そして今日、5人パーティを組んでダンジョンに行くことになったけど、結局真斗は帰ってこなかった。
私はSS同士で組むってことで皇のパーティに入ることになった。
でも藤咲が居ないから回復係は代わりに魔導師(癒)を選んでいた木戸絵馬が呼ばれた。
……どうせ皇と相田の趣味だ。
それでも私たちはそこそこ強いので、他のパーティは念の為私たちの後に行くことになった。
それぞれのパーティに騎士が1人づつ付きいざ出発とばかりに皇と相田が歩いていく。
歩いている間皇はずっと黒田と、相田は木戸さんに話しかけていた。
一応命の危険があるんですけど……
《南原周視点》
僕は南原周。
テイマーセットを神様から貰った動物大好きマンだ。
「ね、ねえ、本当に大丈夫なのかな?」
僕は今ダンジョンにいる。
「あ? うるせーよ! 別にそんな危険なことねえって!」
僕の言葉に答えたのは権田君。
「ビビってると置いてくぞ!」
その横を歩いてるのは斎藤君。
2人ともAランクのギフトで斎藤くんはアイテムボックス、権田君は身体強化(大)を貰っている。
2人ともギフトが強いからかどんどん奥へ進んでいく。
「あんた達ねぇ……なんかあったらどうすんのよ!」
滝沢めとがそれを諌める。
僕とマリア(樋口マリア)はそれを見て苦笑しながら進む。
いつもの光景……のはずだった。
いきなり目の前に魔法陣が現れ、輝き出す。
そして……そこにはでかい狼が居た。
「なんだよこいつ!」
「ど、どうするんだよ啓人!」
「どうするったって……にげるぞ!」
「う、うん!」
僕達は後ろを向き走り出す。
だがその前に真っ白な服に身を包んだ男と女がいた。
そして騎士を殺した。
「よぉ? ご機嫌だなお前ら!」
「落ち着いて、みっともないわよリュウ」
「だってよぉハク! 俺ァもっと強いやつがいると思ったのによォ……」
「弱い内に危険分子を摘むって話なのになんで強いのがいると思うのよ」
「ま、そらそうだな。次に期待だ」
なにやら不穏な会話をしている。
「な、なんかオオカミも止まってるし今のうちに逃げよう」
「あ、あぁそうだな」
「おいおいそらねぇだろお前ら!」
「悪いけど逃がす気は無いの。
大人しく掴まって貰うわよ」
白い女と男はこちらに近づいてくる。
それと同時に狼も近づく。
「お前達は何が目的なんだ!」
「ん?俺達の目的はただ1つ。
主の復活だ。その為にお前らの中で使えそうなやつはスカウト、雑魚は間引く。それだけだ」
「なっ……!」
「こん中だと……あっ!お前達良さそうだな。
なあ?ハク」
「えぇ、そこの女の子達、こっちへいらっしゃい。
貴方達は助けてあげる」
男達がマリアと滝沢を指して言う。
マリア達は動揺していたがあちらに行けば僕たちが助かると聞きついて行くことに。
僕はあまりの理不尽に、そして何も出来なかった自分たちに怒り泣いた。
しかし、その時に先程の狼が襲いかかってきた。
「嘘だろ! 助けてくれるんじゃ……」
「逃げろ!」
「ま、待って2人とも!」
僕を置いて2人が逃げていく。
僕も慌てて逃げようとする。
しかし、ダンジョンのトラップを踏んでしまった。
その瞬間辺り一帯が光り輝き……
僕と狼は気づいたら別の場所に居た。
真っ暗で、周りも見えにくく……
その時、突然でかい蜘蛛が僕と狼に襲いかかってきて……
《竜胆綺羅莉視点》
私たちは先に行った奴らを見送りしばらくしてからダンジョンに入ることになっていた。
だけど……
「やあ、ここに勇者はいるかな?」
青い衣装に身を包むメガネをかけた男がいた。
そいつはこちらにやって来た瞬間に私たちの周りにいた騎士を殺して話しかけてくる。
「ゆ、勇者ならもう中に入った! こ、ここには居ないぞ!」
私のパーティーのリーダー、進藤努が答える。
すると、
「あぁ、そっかそっか。ならよかった。
僕達の目的は勇者じゃない。賢者の子は少し気になるけど……まあいいや。
君らの中に魔法使い、もしくは魔法適正のあるものは何人いるかな?」
と問い返された。
私たちが混乱してる間も青い服の男は話を続ける。
「いやいや、答えなくてもいいよ。
僕らには見えるんだ。なるほど……今度の勇者召喚は豊作だね。
こんなにも魔法適正の質も量もあるなんて……」
私たちは意味がわからず固まっていると、
「決めた! 君たちみんなこっち側においでよ。
楽しいよ〜? 何をするにも自由だし。
てかそもそも拒否権もないけどさぁ」
青い服の男は嗤う
「でも君と君は要らないね」
鮮やかな赤色。
それが私の血だと気づいた時には遅く、私は意識を失う。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます