第4話 登録と装備
「よし、着いたな。それじゃいこう」
「はい」
冒険者ギルドについた俺たちは扉を開けてギルド内に入った。
「おはようございます。ご依頼ですか?登録ですか?」
「2人とも登録します」
「登録ですね。ではこの水晶に手を触れてください」
「はい。それじゃあ私から触れますね」
「はい、ありがとうございます…ってええ?!
失礼ですがご年齢を聞いてもよろしいですか……?」
「16ですけど……?」
「えっ……! 16で既にサブ職業にもついてらっしゃるんですか……しかも魔法職にまで……」
「すいません、サブ職業や魔法職って珍しいんですか?」
「知らないんですか?! 職業切り替えには白金貨1枚かかるのでサブまでついてる人は貴族か豪商、もしくはAランク以上の冒険者くらいですよ。
魔法職は魔法スキル自体レアスキルですし、適正は先天性。魔力操作がないと発動すら出来ないですし……」
「あ、そうか、サブの変更もお金かかるのか……
それに魔法職はレア、と」
「あ、えっと、実は親がお金持ちで、まあ今は追い出されちゃったんでお金はほとんどないんですけど……」
「あ、そういう事ですか! なるほど、わかりました。あ、こちらがギルドカードです!」
「ありがとうございます!」
「戦闘職を、それも魔法職を確認できましたのでランクは最低のGランクの2つ上のEです。どうぞ」
「ありがとうございます」
「次は俺だな」
「……はい、ありがとうございま……え?!空魔法使い?!サブ職業にただでさえレアな魔法職の空属性なんて……」
「あ、気にしないでください。カードこれですよね。ありがとうございます。またきます!」
「え、え? ちょっと待ってください!」
「行くぞ! 橘!」
「え? え?」
俺は橘の手を掴んでその場から逃げるように走った。
しばらくした所で止まると橘が話しかけてきた。
「あ、あの何で逃げたんですか?……あと手」
「あ、すまん。えっとだな、サブ職業と魔法職持ちは希少って言ってただろ?
それを聞いて周りを見渡したらこっちの話を聞いてたらしい奴らがこっち見て話してたからな。俺の空魔法を聞いた瞬間圧が上がった。
本当はもっと情報を集めたかったが……明日にしよう」
「な、なるほど」
「魔法は明日依頼を受けて確かめよう。念の為それまで使用厳禁だ」
「はい」
「あと、俺もEランクになったからな。明日は魔物討伐をしようと思うんだがどうだ?」
「……はい。いいと思います」
「……嫌なのはわかるが、もしもの時殺せないと困る」
「はい。わかってます」
「まあ、明日までに覚悟を決めてくれ。念の為装備を買いに行こう」
「そうですね」
「あ、その前に宿屋だな。お腹も空いたしお昼を食べながらギルドで出来なかった情報収集だ」
「はい、行きましょう!」
そして俺たちが近くを散策していると、《森のツノウサギ亭》と書かれた看板が見えた。
「ん、これはご飯屋さんかな? 橘、ここでいいか?」
「ツノウサギ亭ですか、いいと思います」
「よし、いくか」
店はパッと見あんまりな感じがしてたがもう俺はお腹が限界だった。
しかし入ると中は綺麗で意外としっかりしていた。
するとエプロンをみにつけた犬耳の人が
「いらっしゃいませー!」
と挨拶をしてくれた。
「え、と、2人なんだがいけるか?」
「はい! 行けますよ!」
「わぁ、ケモ耳だぁ……」
「あ、えと、すいません。目障りでしたよね……
私は裏に戻りますので……」
「あ! 違うの! そうじゃなくて……」
「気にしなくていいよ。俺たちは外から来た人間だから獣人に差別意識はない」
「ほんとですか? ありがとうございます」
「それじゃあ席に案内して貰えるか?」
「はい! こちらです!」
「ありがとう、よいしょっと」
「メニューはこちらです。ごゆっくりどうぞ」
「ありがとうございます」
「……春風さん、獣人が差別されてるってどういう事ですか?」
「さあ?あの人のニュアンス的にされてそうだなって。橘はあるのか?獣人に偏見みたいなもの」
「いえ!私はケモ耳好きですよ!」
「俺もだ。この国はなんか良くない気がする。
早いとこ別の国に移動しなきゃな」
「そうですね」
「よし、メニューどうする?俺はツノウサギのシチューにするけど」
「なら私もそれにします」
「おけ、すいませーん!」
「はい、どうされましたか?」
「ツノウサギのシチューを2つ頼む」
「はい!かしこまりました!」
「あ、あと聞きたいことがあるんですけど……」
「はい、何でしょうか?」
「この街の宿屋のオススメありますか?」
「宿屋ですか? それだとここも宿屋ですよ!」
「そうなのか、1泊いくらなんだ?」
「1泊朝夜ご飯付きで銅貨30枚です」
「(大体日本円だと3000くらいか)なるほど、飯も美味いし、装備を買いに行くのに夜まで時間もあんまり無いし……橘、ここでいいか?」
「はい。いいと思います」
「よし、なら二部屋借りられるか?」
「ありがとうございます!」
「ご飯の会計の後に宿屋の方の会計も頼む」
「わかりました」
「それじゃあ失礼しますね」
そう言い彼女は裏に戻ってすぐに戻ってきた。
「うち自慢のシチュー2人前! お待ちしました!」
「ありがとうございます」
「……よし、宿も決まったし早く食って装備を買い揃えよう」
「はい!」
あの後シチューを食べ宿を10日分予約した俺たちは装備を整える事にした。
それぞれ自分で選ぶことにしたが鑑定を持っているのでだいぶいいものをそろえることが出来た。
それがこれだ。
《トウマの装備》
名称 疾風の剣 +3
レア度 レア 耐久力 200/200
説明
風の力が宿る剣。
持ち主の風系統魔法を少し強化する。
攻撃に風属性が付与される。
攻撃力130up
俊敏 250up
魔攻90up
名称 初心者用皮鎧 +1
レア度 コモン 耐久力 140/140
説明
冒険者の中でも初心者が着る鎧。
特殊効果は無い。
防御力40up
魔防 20up
名称 跳躍の靴 +1
レア度 アンコモン 耐久力 100/100
説明
MPを篭めるとジャンプ力が上がる。
俊敏 50up
名称 神秘のベール
レア度 レア 耐久力 120/120
説明
あらゆる状態異常を少し掛かりにくくしてくれる。
「いい装備ですね!」
「あぁ、我ながら自分に合ってると思う。
神秘のベールと疾風の剣は露店の掘り出し物だから安く買えたよ」
(全部で30枚くらいの銀貨が消えたけど)
「私も良いのがありましたよ」
「よし!教えてくれ」
《ヒナノの装備》
名称 炎玉の杖
レア度 アンコモン 耐久力 150/150
説明
炎の力を増幅する杖
火系統の魔法を強化する。
魔力が操作しやすくなる
魔攻 60up
名称 初心者用ローブ+1
レア度 コモン 耐久力 130/130
説明
魔法使いの中でも初心者が着るローブ
魔防 70up
名称 魔力タンク(指輪型)
レア度 アンコモン 耐久力120/120
説明
MPを100まで貯めておける
光の具合でだいたい溜まってる量がわかる
3割以下・・・赤色
5割以下・・・黄色
8割以下・・・緑色
満タン・・・青色
「私はこれで全部です!
装備を揃えるのに銀貨20枚使っちゃいました」
「そうなのか……やっぱ明日以来受けなきゃな。
俺も30枚使ったから残りは銀貨16枚、銅貨90枚しかないからな」
「私は銀貨26枚と銅貨90枚ですね」
「……よし、とりあえずお互いステータスを鑑定して出来そうなことを考えて明日実践しよう」
「はい!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます