第7話 担任
「あ、そういえば貴方の才能については深く聞いて無かったわね。貴方には一体どんな才能があるのかしら?」
ふと思い出したようにクロナが聞いてくる。
俺はその質問に正直に答えるべきか一瞬迷った。だが、彼女が自分の才能について話してくれた以上自分だけ言わないのはよくないだろうと思い、素直に答えることにする。
「ああ、俺の魔法は----」
だが、その言葉は。
「はーいみなさんこんにちは!今日からこのクラスの担任をすることになったリリー・ラインヘルです!一生懸命がんばるので、みんなヨロシク!」
という、元気いっぱいの挨拶によって遮られてしまった。
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リリーと名乗った担任は、一見すると俺とさほど変わらない年の少女に見える。純白のローブを身に纏い、綺麗な金髪を背中で束ねているのが印象的だ。
だが、その立ち居振る舞いからは確かな気品と威厳が滲み出ており、なにより俺は彼女のことを知っていた。いや、この国で彼女のことを知らない人など居ないだろう。
----リリー・ラインヘル。弱冠24歳でありながら公国の現最強魔法使いと呼ばれるほどの卓越した魔法の腕を持ち、《森羅万象》の称号を皇帝から直々に賜っている、英雄なのだから。
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「流石は国立の学園だな。まさかあの人が担任だなんて・・・・。」
リリー先生がこの学園のことやこの先の行事予定などを説明しているのを聞きながら、俺はクロナに話しかける。
「ええ、そうね。私も驚いたわ。でもこれは大きなチャンスよ。私たちは確実に強くなれる。」
・・・・・・・・・・・・・・。
「・・・・ああ、そうだな。」
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