第1章 学園と出会いと躍進と。
第4話 出会い
翌朝。入学式は8時からだというのに5時過ぎに起きてしまった俺は、部屋にあったこの学園の制服に着替え、初めて自室の外に出ていた。
「うーん・・・それにしても、流石に身体が軽いな・・・・」
記憶によれば、この身体は現在15歳。それも農家の手伝いなどのお陰でそれなりに筋肉もあり、転生前とは比べものにならないほど身体が軽く感じる。
そのお陰もあり、清々しい気分で流石国立の学園と言うべきか結構広い寮の廊下を歩いていると、角の奥から何やら声が聞こえてきた。
(自分も人のことを言えないが)こんな朝早くから何をしているのだろう、と不思議に思い、悪いとは思いながらも聞き耳を立ててみると・・・・
「なぁなぁ、こんな朝に男子寮になんか居るんだ、どうせ誰かとヤってきたんだろ?なら、俺らとも楽しもうぜ。」
「だな。俺達が楽しませてやるからよ、早く来いよ!」
「ちょっと!違うって言ってるでしょ!?離して!」
・・・・はぁ・・・朝っぱらこれかよ・・・
俺は少々憂鬱な気分になりながらも聞いてしまったからには放っておく訳にもいかず、仕方なく助けに入ろうと角を曲がり、声をかける。
「おい、お前らなにして・・・」
瞬間。言葉を失った。
だがそれも仕方のないことだろう。なにしろ、今まさに助けようとした子が。
あまりにも美しかったから。
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「まるで人形のようだ」とか、「女神のようだ」とか、美しい女性を表す言葉は山ほどある。が、目の前の少女はそんな端的な言葉では到底言い表せないほどに、美しい。
まず目を引くのは膝のあたりまでのびた、漆黒の夜を思わせる艶やかな黒髪。
そして、ルビーのような紅い瞳。鼻目立ちは恐ろしく整っていて、神々しささえ感じる。
身長は160後半ほどだろうか。今の俺の身長が170くらいだから、それよりちょっと低いくらいだろu・・・
「おい!おいって!誰だよおまえ!」
その言葉ではっと我にかえる。
「無視してんじゃねえよ!お前、俺らのことナメてんのか?ああ!?」
連中の中で一番デカいやつが前に出てきて凄んでくる。
「いや・・・・ちょっと・・・・」
・・・・やべ、思ってたより人数多いし、なんかめちゃくちゃ怒ってるわこれ・・・・
取り敢えずなんとか話し合いで解決できたりしないかな・・・・なんて思っていると、
「
突然件の少女がそう叫んだかと思うと、男達の頭上にイスやら机やらが出現。落下してきたそれに男達が怯んでいる隙に少女は廊下の反対側へ走り去ってしまった。そして当然俺は置いてけぼり。
・・・・一瞬の混乱から立ち直った男達の目の前には俺しか居ないわけで・・・・
「「「こ、コイツ・・・!やっちまえ!」」」
目を血走らせて俺を睨み、襲いかかってくる男達から、
「-----ッ!
逃げた。
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