27話 ナユタの作戦2

 皆さん、こんばんは。月影シノブですだニン。

突然ではございますが、少しの間、失礼します。


 織姫ココロちゃんとプロデューサーさんと私は、

紫電セツナさんと向かい合い、”第2回戦”の緊張を高めていました。


 おそらく、次に誰かが動いた時に、バトルが再開されます。


そして、紫電セツナさんが言われたとおり、次のバトルで決着が付くと思います。


 果たして、私達は、プロデューサーさんが言った“作戦”を無事に成功に導く事ができるのでしょうか?


 しかし、そんなヒリついた雰囲気の中、私は全く別の事を考えていました。


 それは……

さっき私が、プロデューサーさんに「パンツを見せようとして結局見せなかった」時の事です。


 あの時、織姫ココロちゃんが来た事で、私達の”パンツァー起動”は失敗に終わりました。

しかし、変わりに私は、”凄いもの”を見てしまったのです。


 その”凄いもの”については、ちょっと言いにくいですが……

恥をしのんで、あえて具体的に言います。


 要は、あの時に私は……

プロデューサーさんの“でっぱった箇所”がとつってた状態を見てしまったのです。


私も浅学ながら、一応の性的知識を有しています。

男性の“でっぱった箇所”がどういう役割を持つ部位か、知ってます。


ただ、

――父も兄も早くに亡くなりましたし、

――女子攻生ですし、

――陰キャですし、

男の人の“でっぱった箇所”の挙動について、実物を見た事はありませんでした。


 ですので、ただただ驚愕でした。


 まさか……とつった時って、“でっぱった箇所”が袴を持ち上げて……あんな事になるなんて……。

BLの珠玉の名作と名高い――「ショウタとタマノスケの玉遊び」を、誤ってチラ見した時以来の衝撃でした。


 そして、先程ついつい見てしまいましたが……

プロデューサーさんの“でっぱった箇所”は、いつの間にか落ち着きを取り戻し“普通”な感じに戻っていたのです。


 てか……

それも合わせて驚愕なのですが……。


 アレって……瞬間的に“でっこみひっこみ”する物なんですか?


 どういう仕組みなんですか?

やばくないですか?


 しかも、そんな訳の分からない物を女性に対して使うんでしょうか?


 ヤバすぎです……。


 私は、色々……無理な気がします。


 ……い、いや!!


 ち、違いますよ!?


プ、プロデューサーさんと自分で変な想像とかしてませんからね??


これは、あくまで一般的な話題として、”でっぱった箇所”の”物理的特性”をみなさんに聞いているだけですからね!?


 し、しかし、今にして思えば……

 なんだか、ちょっと嬉しい気もします……。


 も、もちろん、これも誤解しないで頂きたいのですが、私は男性の”でっぱった箇所”を見て、発情するタイプの女の子では無いです。


 私が、今「ちょっと嬉しい」って言ったのは、プロデューサーさんが私を見て少しでも“反応”してくれた事なんです。


 だって、プロデューサーさんって、

お姉ちゃんやタマキさんを見てる時と、私を見てる時では雰囲気が違います。


私を見る時のプロデューサーさんは、どこか子供扱いをされているようで、良い気分がしません。


私としては、自分が既に大人の女性の仲間入りを果たしていると思っていますので、そんな感じで扱って欲しいです。


 ですから、プロデューサーさんが、私のお尻とかパンツを見る事で”でっぱった箇所”を凸らせた事は、私に女性的な魅力が備わっている証拠だと、私は思うんです!


 つまり!私は!

お姉ちゃんに負けず劣らず、大人の女性と言えるのです!!

 ………あれ?でも……


 今さら気付いたのですが、

私って……お姉ちゃんに負けたく無かったのでしょうか……?


 私って……お姉ちゃんに嫉妬……?


 ……してたのでしょうか……??


 ……でも……つまり……それって??……



 と私が、そんな感じで、プロデューサーさんの”でっぱった箇所”に思いを馳せたり、自分の嫉妬のような感情を理解出来なかったりしているところで……


私達の”第2回戦”のゴングが鳴りました。


 最初に動いたのは、紫電セツナさんでした。


 その一瞬を狙って、プロデューサーさんが数回発砲します。


紫電セツナさんは、プロデューサーさんの弾丸を簡単に避けます。


その避けた体制のセツナさんを狙って、私は忍術lv1の「カトンまぐなむ」を使います。


「カトンまぐなむ」のマイクロミサイルはセツナさんをグリグリ追尾します。


しかし、紫電セツナさんは、それも簡単に小太刀で切り払います。


次の瞬間、セツナさんは「縮地」で唐突に消えます。


そして、プロデューサーさんの前にセツナさんが現れますが……そこに織姫ココロちゃんが立ち塞がります。


ぶつかった姉妹の2人の剣から、火花が飛び散ります。


 そこで、紫電セツナさんが笑顔で言います。


「ココロも勘が良くなったね?

 僕は嬉しいよ」


 織姫ココロちゃんは必死の様子で言います。


「“勘”じゃないよ……!

 “読んだ”んだよ……!!」


 しかし、紫電セツナさんは、そのまま小太刀を押し込みます。


織姫ココロちゃんが競り負け、ココロちゃんのスク水の肩紐がセツナさんの小太刀の刃に触れます。


 セツナさんは言います。


「それでも、ココロは修練が足りない。

 もっと殺し合いをしないとね?」


 セツナさんはさらに、剣でココロちゃんを押します。


 刃が当たっていたココロちゃんのスク水の肩紐が裂け始めました。


 ココロちゃんは言います。


「嫌だよ!ボクは、お姉ちゃんみたいになりたく無いんだ!!

ボクは、みんなに愛して貰う為にアイドルになったんだ!!」


「優しいココロの事は僕だって好きだ。

 でも、優しさを分け与える相手は選ばないといけないよ……?」


 そう言いながら、セツナさんはココロちゃんの刀を弾き飛ばしました。


ココロちゃんの刀は手を離れ、空を飛び、

数回転して地面に突き刺さりました。


 それを横目で見たセツナさんは、言います。


「”優しさ”が”承認欲求”に繋がると、ただの“業”になるからね?」


 セツナさんがそう言ったと同時に、ココロちゃんのスク水の両方の肩紐が、遂に切れてしまいます。

スク水の上半身部分が、ペロっとめくれてしまいます。


 そして、ココロちゃんの小ぶりで綺麗な二つのお胸が、外の灯りに照らされました。


ココロちゃんは、顔を真っ赤にして、なぜかちょっと嬉しそうな顔で言います。


「はわわわわわわわわ!

 僕のお胸が!!お外の空気に!!!晒されて!!!!!

 みんなに見られちゃって!!!!

 ふわあぁぁぁぁぁ……」


 そして、ココロちゃんは腰が砕けたようになり、プルプルしながら、その場に内股でへたり込んでしまいます。


 その様子を見て紫電セツナさんは言います。


「衣装は直せるだろうが……

 “その状態”のココロは、すぐには動けないだろ?」


 ココロちゃんは、お胸を両手で抑えてへたり込み、恍惚とした表情で天を見上げ「はぁ……ふわぁ……」と吐息を漏らしながら、何故か全身をビクンビクンと痙攣させてしまっています。


 マズイです。センシティブ警報です!

それに、なんかよく分かりませんが、ココロちゃんが戦闘不能です!!


私は急いで、プロデューサーさんに電脳リンクで伝えます。


『プロデューサーさん!マズイです!ポロリです!』


『ああ。見ていた。マズイな。

(“ポロリ”というより“プレイ”だな)

(あと、綺麗なピンク色だったな)』


『プレイ?ピンク色?何のことですか??

 ココロちゃんが、ポロリで戦闘不能になっちゃたんですよ?

 (もしかして、ココロちゃんを見てプロデューサーさん……とつったのかな?)』


『と、とつる?

 な、何のことだ??

 ともかく、俺達はこのまま作戦を続けるぞ』


『は、はい。そ、そうですね……。

 ふ、2人で逃げながら、紫電セツナさんを”目的地”に引き込むんですね?』


『そ、そのとおりだ。

 織姫ココロは、俺達と違い紫電セツナに殺される事は無い。

 放置しておいても、だ、大丈夫だろう』


 という事で、私達は、何故かアタフタしながら電脳リンクを終わらせます。


 そして、私とプロデューサーさんは、紫電セツナさんから逃げるように走り始めます。


 そう言えば今更ですが……


プロデューサーさんの作戦の”目的地”ってどこなんでしょうか?


てか、プロデューサーさんが“目的地”でまたパンツァーを使うのなら、私ってもう一度……。


クマさんを”お披露目”しないと……いけないのでしょうか?


 そうすると……プロデューサーさん……。

また、もう一度……私を見てとつってくれるのでしょうか?

もし……そうだったら、嬉しいな。


 い、いや!違う!違います!

嬉しくなんて無いです!!


て、てか!!

今、もう一つ気付いたのですが……。



 私って……もしかして……「ムッツリ」……?

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