第232話



 「リトルガーデン」について語るスレ613


 134:名無しの冒険者

 ……お兄ちゃんの戦い、圧倒的だったな


 135:名無しの冒険者

 圧倒的、すぎたな……


 136:名無しの冒険者

 世界ランキング一位が手も足も出ないって、やばすぎるよな……


 137:名無しの冒険者

 それに、ちょっと怖かったよな


 138:名無しの冒険者

 でも、あのときのお兄様はまた別の魅力があって素晴らしかったです


 139:名無しの冒険者

 お兄様ファンの一人としては、あんな感じに乱暴にお兄様に虐められるという妄想が捗りましたわ!


 140:名無しの冒険者

 なんかまた変なファンがでてきて草


 141:名無しの冒険者

 でもあのときのお兄ちゃんに魅力感じてる人もいるのは確かだな


 142:名無しの冒険者

 俺としては、あれはお兄ちゃんなりのアピールにも聞こえたな……


 143:名無しの冒険者

 俺も。

 周りの奴らに手を出したらルーファウスみたいになるぞ?

 って感じだと思ったわ


 144:名無しの冒険者

 それは俺も思ったわ


 145:名無しの冒険者

 でも、これで無事全部解決だよな?


 146:名無しの冒険者

 そうだな。

 お兄ちゃんは世界一位になったし、「リトルガーデン」が世界で一番強い冒険者ギルドと呼ばれるようにもなったし、めでたしめでたしだな



 ルーファウスとの戦いが終わり。

 世界ランキング一位が、更新された。

 ルーファウスは現在捕まったため、ランキングから除外され、俺が一位になった。

 そして、ヴァレリアンが二位へと繰り上がっていった。

 ……まあ、ランキングは別にどうでもいいんだけど。


 今は連日のようにマスコミのインタビュー依頼が来ているようだが、初日に冒険者協会を通して挨拶を行っただけで、あとはすべて拒否してもらっている。

 こういったとき、後ろ盾として事務所に所属しているかいもあったというものだ。


 俺は、ルーファウスがつかっていたアジトの全てを破壊し、残っていた戦闘型アンドロイドたちをすべてアリアに制御してもらい、今は冒険者協会の仕事を手伝ってもらっている。


 なので、無理に俺が出張るようなこともなく、アリアとその部下たちに任せている。


 今後、アンドロイドに関しては色々とあるのかもしれないが、現状日本ではこの戦力を受け入れるために国が積極的に動いてくれているらしい。


 もともと、冒険者の指導に関してかなり遅れてしまっていたが、これで他国を一気に追い抜くような形となった。


 アリアが手懐けた戦闘型アンドロイドたちは……まあ、アリアのせいで色々と性格に問題も出てきているが、それはとりあえずいい。


 そんな俺は、家にきたヴァレリアンと話をしていた。


「うちにも、何体かアンドロイドを派遣してほしいくらいだぜ」


 羨ましそうに、ヴァレリアンはそう言っていた。

 ……なんでも、【スターブレイド】には何名かジェンスに付き従っていた人たちがいるようで、冒険者たちの脱退があったらしい。

 そのため、戦力が足りていないそうだ。


「別に、冒険者協会に言えば手を貸してくれるんじゃないか?」


 ただまあ、これの管理もどこに置くのかは迷っているらしい。

 初めは俺にギルドを作るかどうかの話があったが、面倒なので【リトルガーデン】に丸投げした。

 俺の事務所なんだからな。このくらいはやってもらわないとな。

 俺は麻耶の配信を見るのに忙しいし。


 一応、今はアリア部隊はすべて【リトルガーデン】所属の冒険者ということで話は進んでいて、【リトルガーデン】もいよいよギルドとしての部署を作るかという話も出て来ている。

 まあ、そこらへんの話は向こうに任せればいいだろう。


「まあ、そうだな。いざってときは頼らせてもらうぜ……オレもそろそろアメリカに戻るかね」


 ヴァレリアンはすでに体調も全快しているようだ。立ち上がった彼を、玄関まで見送る。


「それじゃあ、また今度な」

「ああ。麻耶たちの警備してくれてありがとな」


 俺がカチコミに行っている間はヴァレリアンにお願いしていたからな。

 彼がいなかったら、もう少し慎重に動く必要があったので、作戦に大きく影響していた。


「いいってことよ。今回は飯食いに行けなかったから、また暇ができたら遊びにくるぜ」

「ああ、頼む」


 流花がどの店にするかを悩んでいたからな。

 ヴァレリアンが立ち去ったところで、静かになった部屋に戻る。

 しばらくして、麻耶が帰ってきた。


「あっ、お兄ちゃん。ただいまー」

「おかえり、麻耶」


 笑顔を浮かべる麻耶。

 今日も天使は天使だ。笑顔を浮かべている麻耶は、それから嬉しそうに笑顔を浮かべる。


「学校でね。今日もまたお兄ちゃんのこと聞かれちゃったよ」

「大丈夫か? 困ってないか?」

「いや、私は自慢のお兄ちゃんとして誇らしいよ。もう、担任の先生なんかファンらしくて、三者面談の日が待ち遠しいとかなんとか」

「まあ、問題ないなら良かったよ」


 三者面談の日はちゃんと麻耶の話をしてくれることを祈るしかない。


「なんだか、お兄ちゃんが配信始めてから色々なことがあったよね」

「そうだな」

「お兄ちゃん、嫌だった? 元々は私のせいなところあるし」

「いや、そんなこと全然ないぞ?」

「ほんと?」

 

 心配そうにこちらを見てくる麻耶。

 そりゃあ、色々と大変なことはあったが、別に俺としてはまったく問題なかった。

 だって、マヤチャンネルの宣伝ができたし。


「どちらかというと、周りの人たちがどう思ってるかは気になってたな」


 まだまだ、マヤチャンネルの視聴者は発掘できるはずだ。

 これからも、宣伝頑張っていかないとな……!


―――――――――――

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