第92話
〈Sランクのレイナちゃんでも難しいって……よほどだな〉
〈お兄ちゃんの感知能力ありきの必殺技か……〉
〈ってことはただただお兄ちゃんの化け物度が上がっただけじゃねぇか!〉
〈やっぱりお兄様は最強なんですね……っ! これからも推していきます!〉
〈お兄さんの能力強化イベントってだけか?〉
〈いやでも難しいだけで皆が訓練すればできるんだからまだいいよな?〉
〈それな。生まれ持っての才能に左右されないんだから全然いいわ〉
〈俺もちょっと魔力感知の訓練から始めてみるかな……全然どうなるか分からないけど〉
「そういうわけで、魔法の再現について確認したかったわけで今日はシバシバに協力してもらったわけだ。……まあ、色々あったけどありがとな」
「いえ……お兄様の血肉になれたのなら、嬉しい限りだわ」
「その表現やめてくれ。……まあ、そういうわけで、これで俺は今後麻耶に会えなくて苦しむことが少なくなるというわけだ」
〈……え? この魔法の使い道それw?〉
〈お兄ちゃん……さすがだぜ!〉
……先程取り込んだ魔力は、まだ体内に残してある。
これをちびちび使っていけば、あと三回くらいは空間魔法を使用できるだろう。
足りなくなったらまたシバシバで補給する。……世の中の人が全員使えるようになったら特殊魔法を売り出す、ようなビジネスが流行る時代もくるかもしれない。
まあ、それがいつの時代になるのかは分からないが。
「とにかく、シバシバには感謝しかないな」
「そ、そう正面から褒められるのにはなれないわね……」
なぜか今日一番恥ずかしそうな表情をしているシバシバ。
……もっと恥ずかしがるべきタイミングがあった気はするのだが、彼女の判断基準は分からん。
〈おっ、お兄ちゃんメスの顔してますぜ!〉
〈兄貴! こいつやれますぜ!〉
何を失礼なことを言うコメント欄だ。
シバシバがじろりとコメントを見て呟いた。
「私は最初からメスの顔をしているわ」
〈草〉
〈お兄ちゃん、良かったな!〉
〈おい、【ブルーバリア】の公式アカウントを炎上させろ!〉
〈お兄様……っ! もう変な女とコラボしないでください!〉
……コメント欄もどこまで本気なのやら。
「俺はもっとまともな子がいいんで……」
「私まともなほうだと思うのだけど……」
「無理無理。ダーリンはあたしみたいな子がいいんだよ」
「おまえらどっちもまともじゃないからな?」
俺はぼそりと呟いていると、玲奈はちらと時計を見る。
……もう配信を始めてから一時間以上経っているのか。
俺の精神的な疲労度はもっとあるんだけど……そろそろ一区切りつけないとな。
「とりあえず、今日の配信はこのくらいかな? あたしも空間魔法を訓練して、いつでもダーリンをストーカーできるようにしないとね」
「私は……訓練しなくてもお兄様のストーキングはできるわね……でも、お兄様の魔力を探知する技術がまだまだ足りないわ。……お兄様、頑張るわね」
「頑張らなくていいから」
〈ここにいる奴らやばくて草〉
〈マジでお兄さんの周りやばいやつらしかいないな……〉
〈まあ、類は友を呼ぶってやつだよな〉
……ほんとそうなんだよな。
玲奈がねじの外れた奴のせいで、彼女の交友関係も皆バグってる。
これから、玲奈の友人に会うときは警戒したほうがいいかもしれない。
「んじゃ、ここで一度配信は終了にするな。今日の魔法に関して、冒険者協会から質問とかあるかもしれないが、報告面倒なんでこの配信見て、麻耶チャンネルの登録して確認してくれ! それじゃあ!」
無事目的も達成したので、俺はそこで配信を完全に終了させた。
迷宮配信者事務所「リトルガーデン」について語るスレ238
371:名無しの冒険者
お兄ちゃんの気づきやばすぎる件
372:名無しの冒険者
これまで特殊魔法でいきっていたやつwww
もう君たちだけのものじゃないよーんw
374:名無しの冒険者
お兄ちゃん、わりと気軽に話していたけどこれ普通にやばい奴では?
375:名無しの冒険者
普通にやばい奴だよなw
376:名無しの冒険者
でも、レイナちゃんも言ってたけど、これ再現するのかなり難しいよな
377:名無しの冒険者
正式な呼び方募集してたけど、おまえたちどれがしっくりきたんだ?
再現魔法、コピー魔法、疑似魔法……どれがいいんだ?
378:名無しの冒険者
普通に再現魔法でいいと思ったけどな
379:名無しの冒険者
現状使えるのってお兄ちゃんくらいか?
380:名無しの冒険者
一応、海外の災害級の奴がお兄ちゃんの配信見てて試したらできたみたいだぞ?
まあでもその人自身が特殊魔法の使い手だから、そんなに使う機会ないみたいなこと言ってたけど
381:名無しの冒険者
戦闘系のスキルの再現魔法は微妙だけど、シバシバみたいな移動として使うのならかなりいいよな?
382:名無しの冒険者
シバシバの特殊魔法はかなりあり
単純な攻撃や強化系の魔法だと……どうなんだろうな?
383:名無しの冒険者
個人で特殊魔法持ってるなら、わざわざ使う必要はない……って感じ
シバシバみたいな世界的にみても珍しい特殊魔法なら、再現させてもらうのはあり
384:名無しの冒険者
まあ結局、それを使いこなせるような人はまだまだいないよなぁ
385:名無しの冒険者
レイナちゃんも、少しくらいならできるみたいな感じでTwotterで言ってたけど、つまりそのくらいの上級者にしかできない技なのか……
386:名無しの冒険者
お兄ちゃんも言ってたけど、魔力感知がすべてだからな
それができるようにトレーニングを積んでいくしかないな
―――――――――――
ここまで読んでくださり、ありがとうございます!
『楽しかった!』 『続きが気になる!』という方は【☆☆☆】や【ブクマ】をしていただけると嬉しいです!
ランキングに影響があり、作者のモチベーションの一つになりますのでよろしくお願いします!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます