episode4 アラッサス

今日は確か、アラッサスを倒す所からだったわね。

アラッサスはどんな能力を持っているのかしら?

強いの?弱いの?それすらも分からない。

さぁ読むとしましょう。


「とうちゃーく。イーゼル、アラッサスはこの奥だよ!」

そう言うとユリアは洞窟に突撃しようとする。

「おい、まてお前はどうして突撃しようとする?まずは作戦を練る。」

お前は魔法が使えたな、と言おうとするがユリアは洞窟の中に入っていた。

…気付いたときにはもうユリアはおらず、慌てて追いかけた。


「おいっ、ユリア、ユリアどこだっ。返事をしろ。クソっ、死んでいたら承知しないっ…」


魔法を使う者は大抵が近接戦闘を苦手とする。だからユリアも同じだと思った。柄にもなくユリアが死ぬのではと恐怖した。

しかし、その心配は杞憂だとすぐに分かった。

その証拠にふと、ユリアの声がした。

…真昼・黄昏・夜空。…さ、天はここ、呼ばれた。

それは何かを紡いでいるようだった。


「真昼・黄昏・夜空。三天はここに呼ばれた。この地を守りし精霊よ、空を、時を司りし神々よ。今、力を貸し与え給え

ユースリア・ラグナロシア!!」


美しく壮大な歌。今この時俺には彼女が精霊に見えた。


俺が見たのは、紛れもない彼女の魔法だった。

彼女の魔法は、焔の柱を呼び出しアラッサスを容易く燃やし尽くし滅ぼした…。

それは俺に強い恐怖と尊敬の意をもたせた。俺は彼女と共に戦えるのかと。彼女一人でも戦えるのではないかと。

しかし、俺に気付いたユリアは慌てて


「え、あ、イーゼル。ごめんなさい。勝手に飛び出してしまって…本当なら貴方一人で戦えたと思ったのだけど…」と言った。

その後に、貴方が怪我をするかもしれない。おいて行ってしまうかもしれない。と続き、彼女も自分と同じような気持ちだったのだと気付き、

「俺もお前が魔法を使えるから一人になるかもしれないと少し…怖かった。」

そう言うと、なんだか笑えてきて、二人で笑ってしまった…。

その後は二人で霧が晴れてるだろう蒼穹の国へと歩いて帰った。


「イーゼルとユリアどちらも互いに恐怖していたみたい。」

「でも、ちゃんと声に出してよかったね!」

えぇそうね、声に出さないと分からない事もあるものね。そう言うと二人の姉弟は寝てしまった。

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