episode2  霧の国

なぁに?また続きを読んでほしいの?

なら今日は、あの二人が霧の国へ行くお話しをしましょうか。


「ねぇ、イーゼル。自己紹介をしましょう?」

ワクワクとした顔でユリアが近寄ってきた。

「どうしてだ…する必要性がない」

自信満々という表情でユリアは言い返してくる。

「あら、チームを組むのだから相手は何ができて何ができないのかを知る必要があるわ!!」

なるほど、それは確かに…必要だな。


「私の名前はユリア・ティーベルこれは前にも話したね!前衛より後衛として魔法なんかでカバーをするほうが得意だな〜。よろしくねっ。じゃあ次はイーゼルだよ!」

俺か…

「俺の名はイーゼル・デミッド。盾や槍を使うより剣を使うほうが得意だ。よろしく頼む…」

「イーゼル!も〜、好きな食べ物とか嫌いなものとかもっと言うことあるでしょ〜?」

そうか?お前もさっき自分で言った好きな食べ物や嫌いなものについて言ってないだろう…

「も~全部、声に出てるっ!」

「いいよっ。次は私の行きたい所に連れて行ってもらうから。」

「?、しばらくはここに滞在しないのか?」


そうだ。この村は龍に襲われたんだ…だというのにこの村から離れるのは危険ではないのか?


「フッフッフ〜そう言うと思って近くの国の冒険者にこの村のこと頼んでおいたんだ〜」

「だから、私の行きたい所に行かせてもらうわ!

そうね、1年中美しい空が見えるって噂の蒼穹の国へ!」


蒼穹の国と聞いて、思い出したのはまだ家族がいた頃に見た美しく輝く夜空だった。


「いいかもしれない、蒼穹の国へ行くとしよう。」

そう言うとユリアは嬉しそうに顔をほころばせた。

俺は大事な妹の面影を見つけてしまい、顔を歪めた。


「なら、今から行きましょう!ちょうどいま時期パレードをやっているみたいだから!」

「あぁ、いいな。そうしようか」

そう言ってキャメロット跡地にある小さな村から出発したのが1週間ほど前だった…

今俺達は蒼穹の国いや、今は霧の国といったほうがいいほどに変貌したこの国に居る。

蒼く美しいはずの空は濁ったような霧に覆われた空に、明るいはずの住民やパレードはこの霧のせいで暗く沈んでいた…


「イーゼル、この国本当なら青空が見えるはずだったのよね…?」


俺は返事ができなかった。それほどまでに、この国は変わっていた。

明るく観光客に挨拶する住民や見た人に感動を与えるパレード。何より、あの美しい青空が深い霧に覆われていたことによって…


今日はここまで。美しい青空が見えるはずの国…

どうして霧に覆われた空になったのか、人々はどうしてこれほどまでに変わってしまったのか…

この続きはまた明日。


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