第20話 事情聴取

「はじめまして、立花日々です。

 よろしくね〜えっと」


「…紫織ですよろしくお願いします。」


「紫織ちゃんね

 苗字は、聞いても良いかしら?」


「えっと…」


「言えないの?」


「…いえ…その」


「日々さん、紫織さんが困ってるじゃないですか」


日々の尋問の様な会話に

星夜は、二人の間に割って入る。


何故そんな状況になったかと言うと

俺と日々さんが話していた時

部屋の外から話しかけてきたのは、


別の部屋で日々さんへの説明が終えるまで

待ってもらっていた紫織さんだった。


『あの…結構時間が経っていたので

 心配で』との事で心配でこちらの部屋に

 来たらしい。


そして今現在この部屋には、

俺、紫織さん、日々さんの三人がいて、

話をしていた。


「はぁ…星夜馬鹿ね

 名字も話せないなんて怪しすぎるでしょ」


日々は、やれやれと首を振った。


「でも…」


「大丈夫です星夜くん」


星夜の言葉を遮ったのは、紫織だった。


「元々ただ言う

 タイミングがなかっただけだし

 …私の苗字は、京極…京極紫織です」


「京極!?……珍しい苗字ね」


「そうですか?」


日々さんが苗字を聞いて動揺しているのが目に見える。


「日々さんどうしたんですか?」


「いっいえ何でもないわ」


何かを誤魔化す様な日々の態度に、

疑問を感じた星夜は、日々に問いかけるが

何でもないと返される。


「そっそれより、色々…えっと京極さん?」


「紫織で良いです」


「そう…それじゃ紫織さん

 貴女に聞きたい事がいくつか

 あるんだけどいいかしら?」

 

「わかりました」


紫織さんが了承した事により

日々の質問タイムが始まった。

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