第14話 紫織は、人見知り?

「さて、それで紫織さん

 何買った方がいいんですかね?

 それで行く場所変えますけど」


「えっと食材と食器用の洗剤もなかったわ

 それと……」


「ん?どうしました?」


言いづらい事でもあるのだろうか

紫織さんは、途中で言葉を切る。


「あの……ね、下着を買いたいの」


「下着!?あっそっそうですよね

 下着必要ですもんね!!」


「あのそんなに声に出さないで

 …恥ずかしい」


「ごっごめんなさい」


気まずい雰囲気が車内に広がる。


「とっとにかくそう言う事なら

 ショッピングモールに行きましょうか

 あそこなら色々買えますし」


星夜は、空気を変えようとするが

返事が返ってこない。


「紫織さん?」


「あっうんいいじゃないかな」


そう返事を返した紫織さんの声はどこか沈んでいた。


「ん?何か問題ありましたか?」


「ううん特にないよ」


「いやその様子じゃ

 何かあるのでしょう?」


星夜がそう言うと

紫織は観念したように喋り出す。


「あの…私あまり人混みが苦手で…その」


(人混みが苦手?

 …あっだから髪の毛で顔を隠してるのか)


紫織がなぜ髪の毛をおろしているのかそこで理解できる。


「分かりました…

 それなら目的地変えましょう」


人があまりいない所…

街に行こうとしたけど地元で買い物した方がいいのか?

でも…若い女性の服とかないよな

それに知り合いにバレる危険性もあるし

星夜は、少し考えて街中で今の時間なら

少ないであろう店を選び目的地をかえる。


「…ごめんね」


「いいですよ少し道を

 変えるだけでいいですから

 逆に教えてもらってよかったです」


紫織は、それでも申し訳なさそうにするので

「それに紫織さんの事これで一つ

 新たに知ることができましたから」


そう言って紫織さんにニコリと笑う。


(………恥ずッ!!なに今の言葉!!

 自分で言っててとてつもなく

 恥ずかしかった!!うわ鳥肌たった)


自分の言葉に羞恥心を抱きながら

星夜は、運転に集中する。


そんな姿をしおりが

熱い眼差しで見ていることに気づかずに。

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