神殿ハザマ編
第179話
神殿のハザマに入る日本に帰って来るまで7日の準備期間がかかる。
そしてモンスターがどの程度出てくるかはやってみなければ分からない。
ざっくり言えばハザマのモンスター側と同じ条件になる。
俺は1人でハザマに行く事を決めた。
桃太郎が前に出た。
「フトシ、お前の動画や昔のスキルを見た。お前の城スキルは本当の力じゃない」
「ん? じゃあ俺の本当のスキルは何なんだ?」
「ん~、完成系は分からない、でも今のは違う」
「……難しいな」
「答えは分からんが、気の持ちようでもスキルは変わる。ハザマでゆっくり考えろ」
「分かった、考えてみよう」
桃太郎の言葉は妙に納得できた。
スキルには生まれ持ったモノだけでなく性格からも影響を受ける。
俺の性格とスキルは、確かに合っていないように思う。
何かが違う感覚は確かにあった。
「じゃ、行って来る」
神殿に開いた魔法陣に入り、俺はハザマに入った。
もし、俺が死んでもハザマが消えるだけだ。
今回はやられる気がしなかった。
俺はレギオンと相性がいい。
ハチが毒針を飛ばしてくるが俺の金棒より射程が短い。
レギオンが俺に迫って来る前に倒せばノーダメージだ。
ちまちまとレギオンを狩るのはしっくりこなかった。
出来ればまとめて倒したい。
「砦!」
砦のマイルームに入って各層を表示させて配信を始めて待つ。
……来ないな、あれか?
まだハザマが発見されていない感じか?
その日はぐっすり眠った。
夢を見た、俺がブレイクダンスを踊りながら金棒を振り回しレギオンが倒れていく。
起きてもモンスターが来ない。
『モンスターが来ない』
『あれだ、アシュラ災害の時も発見が遅れただろ?森の中で衛星に映らず、モンスターが山を下りてこなかったから』
『来ないなら作戦を練り直した方が良いな』
「もうちょっと待ってみる」
闘技場で金棒を振り回してみた。
ブレイクダンスをしながら金棒を振り回すがしっくりこない。
これじゃない。
俺と金棒が1つのコマになるイメージで。
ギュルギュルギュルギュル!
「おお!」
金棒を伸ばしたり、巨大化させたりしても回転を落とさないように回る。
更には空中のモンスターにも備えられるように金棒を上に向ける。
『フトシが技を開発しておる』
『何か出来そうだな』
『来た! 来た来た! アリが来た!』
『レギオンは意識が繋がってるから1体に発見されれば他のレギオンにも認識される』
『レギオンが増えて来た!』
『始まったな』
『一気に増えてきた』
『矢の道で全部倒れていく』
『日本に来るレギオンだけはマジで即死んでほしい』
『ここに入って来るレギオン=日本にワープしてくるレギオンだ。フトシがレギオンを倒すほど日本の被害が減る』
やっと来たか、もっと多くてもいい。
どんどん来てくれ。
これだこれ、
俺はまとめてモンスターを倒すのが好きだ。
レギオンをまとめてた倒すのが好きだ。
一気にモンスターが倒れた時の快感は何とも言えない心地よさがある。
レギオンを倒すたびに心が浄化されてすっきりしていく。
俺のもやもやが晴れていった。
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