第170話
俺・レン・レイカさんだけ移動して車に乗った。
他のみんなは神殿調査とその護衛だ。
「丁度、シンさんがアリの巣ダンジョンに入ったわね。配信中よ」
モニターにシンさんの映像が流れる。
『アリの巣ダンジョンを見た感想は小型ダンジョンだ』
パンパンパン!
シンさんの撃った魔法銃でアリが倒れて消えた。
『このようにレギオンは打たれ弱い、遠距離から魔法銃で攻撃するのが安全だ』
レンさんはくいっとメガネを上げて先に進む。
アリを倒しながらすぐにコアまでたどり着くと剣でダンジョンコアを破壊した。
『ダンジョンの消滅を確認』
巣が消えるとアリがシンさんに群がる。
パンパンパンパンパンパン!
シンさんがスタイリッシュにアリを全滅させた。
そしてくいっとメガネを上げる。
『僕の感想をまとめる。
撃たれ弱い為銃が効果的だ。
恐らく魔法弾がすぐに枯渇するだろう。
レギオンダンジョンの発生を見るに急にダンジョンが出来たと考えるのが自然だ』
『冒険者のSNSを見る限り、現状繁殖力の強いアリと、アリほどではないが繁殖力が高くビルにダンジョンを作るハチのモンスターが厄介なようだ。配信終了!』
「……アリとハチか、他のレギオンはダンジョンを作っていないんですか?」
「今の所、アリとハチだけがダンジョンを作っているわ」
「フトシ、ネットにこういうのが出回ってるよ」
レギオンまとめ
アリ→繁殖力が高い
ハチ→アリの次に繁殖力が高い、飛行能力と毒針の特殊攻撃を仕掛けてくる
カマキリ→単体の戦闘力はレギオン最強、特に攻撃力が高い、繁殖は確認されず
イナゴ→魔石を食べる、人を見ても襲ってこない事がある、最弱
「今は色んな所からアリとハチのダンジョンをどうにかして欲しいとモンスター省に連絡が来ている。、しかも数がどんどん増えているのよ」
「アリは見たから、他の所に行きたいです」
「ハチにして欲しいわ」
「分かりました」
俺とレンはビルの屋上に向かった。
屋上に着くとドローンからレイカさんの声がする。
ドローンがバージョンアップしたのだ。
『フトシ君、1人でも大丈夫だと思うけど、レン君と協力して、慎重にね』
「あれええ? 俺だけ?」
『配信もしているから、慎重に行動してね』
「分かってますよ」
屋上から下を見るとビルの横に大きなハチの巣があった。
亜人モンスターのダンジョンより小さい小型ダンジョンか。
「じゃ、行ってきます!」
俺は屋上から飛び降りた。
レイカ『フトシ君ーーーーーーーーー!』
『慎重はどこに行った!』
『フトシってこんなだろ?』
『多分、ハチを見た瞬間に行けるって思ったんだろうなwwwwww』
「金棒! 伸びて巨大化!」
ドッコーン!
ドスーン!
ハチの巣ダンジョンを叩いて地上に落下させた。
「おりゃあああ!」
落ちたダンジョンを金棒で叩く。
中からハチが出て来て尻から伸びた針が光った。
魔法の針が飛んできた。
毒攻撃か、でもこいつの射程は5メートル、俺の金棒は10メートル延びる、それに毒攻撃にはタイムラグがある。
金棒を伸ばしてハチを倒しつつ巣を叩いた。
中からダンジョンコアが見えたので金棒を伸ばして破壊するとハチの巣ダンジョンが消えていく。
残ったハチもすべて倒した。
『フトシの慎重に飛び降りて倒しますが発動した』
『ダンジョンもハチも皆殲滅しやがった!』
『ハチキラーフトシ』
『慎重って何なんだろうなwwwwww』
『レイカさんの言いつけをはいはい言った上で速攻破りやがったぜ!』
『天才の勘が発動したんじゃね?』
『慎重に行きます!→慎重に飛び降りて一気に殲滅します! キリ!』
ドローンが降りて来てレンも走って来た。
レイカ『フトシ君、お疲れ様です。慎重にやって欲しかったわ』
「飛び込む前は慎重に行こうと思ったんですけど、でも巣を見た瞬間にやられる前にやってやるが一番安全な気がしました。相手のペースになる前に倒した方が安全な気がします」
『出たよ、天才発言』
『見えている景色が俺達とは違うんだろうなwwwwww』
レイカ『分かりました。フトシ君はハチの巣ダンジョンを、レン君はアリの巣ダンジョンをソロで攻略してください』
「「分かりました!」」
俺とレンはダンジョンを消滅させ続けた。
その日のうちに俺はハチキラー、レンはアリキラーと呼ばれるようになった。
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