結婚編(戦いの間に)
第163話
【モンスター対策世界会議】
私は日本の総理として世界会議に出席している。
そして世界各国から批判を受けている。
「日本は魔石を摂りすぎだ!」
「最近ハザマのモンスターが急激に減少している!」
「魔石は資源だ! モンスターは多すぎても困るが狩られ過ぎても問題だ!」
「テロリスト、リュウタキヤマによってスケルトンのハザマは大きく減少した。他のハザマも彼のせいで減少したのではないのかね?」
「日本が超大型のハザマを建造した事で、効率的過ぎるハザマ狩りが行われ、結果今のモンスター不足を招いているのではないのか!?」
「待ってほしい、まずは話を、こちらの言い分を」
「そもそも、亜人の王を倒したことでモンスターが減ったのではないか?」
「あの状況では倒すしかなかった」
「日本で一番の問題はフトシオオタだ! レアな召喚系で、集団殲滅を得意とする彼のスキルによって、超大規模なモンスター狩りが行われている。それが我が国のシンクタンクが出した結論だ」
「オオタフトシ君に関しては、現状中小型のハザマを閉める為に動いている。そこまで大量のモンスターを狩り尽くしているわけではない。そして、世界を見渡せばオオタフトシクラスの冒険者は多くいる、大国の正式な発言によれば自国の冒険者が最強と発言しているはずだ」
「要は質の問題だ。強さだけで見れば我が国は最強だ。しかし雑魚を殲滅する能力に限って言えばフトシオオタの能力は群を抜いている」
始まった。
自国の冒険者が最強である事は絶対に譲らないが都合のいい論理展開で他国を批判し続ける。
「何度も言うが、オオタフトシ君は、現状中小型のハザマを閉める為に動いている」
「日本はフトシオオタをうまく使う事が出来ていないようだ。我が国が預かってもいい」
「いや、ナンバーワンの我が国に招き入れよう」
「日本は民主主義だ! 勝手な思惑で強引に引き入れる事はあってはならない!」
「だが、フトシオオタ自身が望むなら日本を出ても仕方が無いだろう」
「大国は日本から優秀な人材を吸い上げすぎている!」
「それは日本がやるべき改革をしていないからだ」
「日本は社会主義に寄り過ぎている。その結果が今の人材の流出だ。自業自得だな」
こうして不毛な議論が続いて会議は終わった。
日本に帰ると議員で会議が行われた。
◇
「検討に検討を重ね、検討を続けた結果、検討が終わりました」
ガチャ!
「大変です、各国がメディアを通じて政府を批判しています。今映像を流します」
各国の政治家が発言していく。
『日本は魔石を取り過ぎている。日本のこうした動きは国際協調を乱し、孤立を招くだろう』
『日本の魔石資源乱獲は許されない。日本に対しては輸入制限を検討している』
アナウンサーが原稿を読み上げる。
『このように各国は日本政府を強く非難するとともに、モンスター討伐の足並みを揃えるよう求めています』
「やられた、日本国民に情報戦を仕掛けられている」
「多くの国民は利益を得たい各国の思惑に気づかず政府を批判するだろう」
「早急な対策が必要だ」
「検討を開始します」
会議は続いた。
◇
「検討の結果、オオタフトシ君には一夫多妻婚をして貰い、日本に居続けて貰うよう働きかけます」
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