第164話
冬になった。
経営破綻したハザマ施設に立ち、ハザマを侵食した。
「これで最後のハザマですよね?」
「はい、お疲れ様です」
レイカさんが笑顔で言った。
「やっとハザマの合理化は一段落か」
レイカさんが拍手をすると、周りにいたみんなも拍手をした。
マスコミがカシャカシャとシャッターを切った。
学校を休むことが多かったけど、旅行みたいで楽しかった。
「これで学校生活に戻れますね」
「すぐに車に乗りましょう」
スポーツカーに乗り出発するとマスコミが付いてきた。
「フトシ君、今から配信を始めるわね。何か聞かれたら疲れた、一人になりたいと言って欲しいわ」
「わ、分かりました」
疲れてはいないけど、疲れたと言っておこう。
車に取り付けたカメラが起動して配信がスタートされた。
「レイカです、今回はショート配信になります。フトシ君が最後のハザマを閉めたわけですが、感想を聞かせてください」
「疲れたので、一人になりたいです」
「今もマスコミに追われてますからね。マスコミ対策のチームに連絡します。フトシ君が疲れてしまっては巡り巡って最悪、人の犠牲が出てしまいます。フトシ君は秘密兵器のようなものですから」
レイカさんが笑顔でマスコミにダメージを与えた。
「フトシ君、ゆっくり休んでください。経営破綻をしたハザマ施設はハザマを消すための依頼料を払えません。フトシ君が無償で引き受けてくれたおかげですんなり事が運びました」
「消さないと面倒なんでよね?」
「ええ、とても面倒です。税金を使ってハザマを消すと怒られて、放置すると怒られて、被害が出ると怒られます」
「え~、何をやっても怒られるんじゃ?」
「そうですよ。本当に助かりました。ゆっくり休んでください。配信は以上となります。レイカでした」
配信が終わった。
「ドリーム2に行きますね」
レイカさんが俺の手を触った。
そして俺の体を撫でる。
「……」
「……」
2人でドリーム2のホテルに向かった。
◇
ベッドの上でレイカさんが俺の上に乗って揺れる。
「フトシ君、わぁ! ハーレム婚をう! ふ! ふ!」
「レイカさん、最後まで答えて」
レイカさんが痙攣した後一瞬だけ頭がガクンと垂れた。
「ごめんな、さい。ほう、こく、を」
「一旦休みましょう」
「もうですか!?」
「こういうプレイは……悪い事をしている気分になるので……普通に話をしましょう」
レイカさんはMだ。
よく考えたら、強化合宿の時も皆を挑発して返り討ちに合っていた。
「……分かりました。モンスター対策世界会議の映像を見てください。編集済みなので5分で終わります」
俺は映像を見つめた。
「日本が滅茶苦茶叩かれてる! 俺の名前が何度も出てる!」
「ですねえ、政府が検討に検討を重ねた結果、フトシ君にはハーレム婚をして貰って、新婚生活と学校生活でゆっくりしてもらいます」
「……これって、それ以外にも政府への批判を俺の結婚に向ける意図が無いですか? 社会人がハーレム婚をした時もマスコミが凄かったじゃないですか。高校生がハーレム婚とかしたら絶対マスコミが来ますって」
「大丈夫です、そうなったらフトシ君にはここに引き籠って貰いますから」
「いやそれ根本の問題が解決してないんですけど!」
「フトシ君が結婚するのは、いのり・ユイちゃん・ヒトミちゃんの3人です。私は愛人というか、そういう感じで言ってあります」
「……え!?」
「大丈夫です。3人には根回ししてあります」
「えええええ!?」
官僚と結婚すると色々問題が起きるのかもしれない。
「それと、ハーレム婚をすればスズメちゃんも動きます。またニュースになりますね」
「ええええええええ!?」
「フトシ君、続きをしましょう。フトシ君はマスコミに追われて疲れていますから。ゆっくりとここで、2人だけで休みましょう」
レイカさんはベッドで攻められるために俺を挑発している。
そんな気がする。
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