第162話

 ゼンさんが俺と握手をした。


「フトシ君のおかげで世界一の超大型ハザマのオーナーになる事が出来た! 感謝している! 当然フトシ君パーティー用の部屋は用意してある!」

「あの、ゼンさん、みんなが見てます」


「おお! 悪かったな! 所でパーティーはもう一人いたはずだが?」


 この人の声が大きいのはもう諦めよう。


「いのりはレイカさんの仕事を手伝っています」

「レンパーティーも忙しいか」

「レンはマスコミの取材を受けています」


 俺も取材の打診が来たが断った。


 残念だったのはサードプレイスを守れなかった点だ。

 結局は事業を閉める事になった。

 サードプレイス4度目の復活とはならなかったが、多くのスタッフはドリーム2で働くことになった。

 サードプレイスで働いていた頃よりも給料は上がっているらしい。


 カネイリオーナーはドリーム2の健全な経営に押されてドリーム2の追従を余儀なくされた。

 薄利経営を続けているらしい。


「ゼンさんもゴウタさんも、高くはない報酬でオーナーを引き受けていますが、いいんですか?」

「心配はいらない、泊まる場所も食べ物も無料だ、それに私は、冒険者に優しい環境を作るのが夢だったのだ!」


「そうなんですね。 ゼンさんのような人間がオーナーなら安心です」

「フトシ君、部屋を用意してある。泊って欲しい」

「お言葉に甘えさせてもらいます!」


 部屋に入ると広く、テーブルには大人のおもちゃとゴム、そして手紙が置かれていた。


『フトシ、早く孫が見たい。ゴウタより』


「えええ!」

「フトシ君、練習が必要です」

「ヒトミ、私だけのけ者にしないで」


 ユイとヒトミが服を脱いでいく。

 2人同時に、だと!

 全部、ぬぐ、だと!

 一旦仕切り直そう。

 俺が変な事を言って笑いに変えてリセットする。


「うむ、では2人とも、恥ずかしい猫のポーズを取ってくれ! 俺の命令に従って貰おう」


 2人が言われた通りにベッドの上で猫のポーズをした。

 2人共顔が真っ赤だ。


「え? あ、いや」

「フトシ君、いいですよ。どんどん命令してください」

「ヒトミには、負けないから」

「じょ、冗談、だから」


 2人にそんな事をされたら抑えられなくなる。

 でも言ったのは俺?

 でも冗談だし。


「フトシ君、次は何をすればいいですか? ユイより言う事を聞けますよ?」

「フトシ、私の方が言う事を聞けるよ?」


「「来て」」


 俺はユイと、ヒトミと何度も1つになった。



 ◇



【4日後】


 ユイとヒトミは競い合うように俺の言う事を聞き、俺は求めるようにユイと、ヒトミと1つになった。


 3人でドリーム2を出た。

 ユイとヒトミの肌がプルプルしている。

 久しぶりに学校に向かう。


 

 サードプレイスを守れなかった、うまくいかない部分は当然あった。

 ゴウタさんとゼンさんのハザマも閉めた。

 それでも、巡り巡っていい環境になったと思う。


 思っていた結果とは違う、でも、想像以上にいい結果をもたらした。


 ユイとヒトミが俺に振り向いて俺に笑顔を向ける。


 ユイとヒトミの笑顔が輝いて見えた。


 学校に行こう。




 新作のお知らせ


『雑魚で貧乏な俺にゲームの悪役貴族が憑依した結果、ゲームヒロインのモデルとパーティーを組むことになった』


 の連載をスタートしております。

 ぜひお読みいただきたいです。


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