第158話

 俺はドリーム1を出た後、ドローンを後ろに連れて1人だけでダンジョンに入った。


 画面に死神が映し出された。

 2体のジョーカーとグレート系モンスターがずらりと並ぶ。


『1人だけで死にに来たの♪』


「ん~と、城!」


 俺は会話に答えず城を発動させて中に入った。

 そして中からダンジョンを侵食する。


「うーむ、ダンジョンを消すには丸一日かかるぞ?」


『死神に喧嘩を売っている』

『城の中からだと時間がかかるのか』

『待て待て、逆に考えるんだ。ダンジョンを侵食できる時点でおかしいだろ』

『24時間防衛できればフトシの勝ち、城を壊されれば死神の勝ちか』


「そうだな、とりあえず死神に挨拶しておくか」


 城の外に画面を出した。


『え! おかしいだろ! 黙って浸食すれば良くね!?』

『フトシ、この状況で更に死神を挑発する気か』

『てか、城って破壊できるのか?』


「よう、死神」

『僕は死神じゃないよ♪』

「何て呼べばいい?」

『人間はそんな事も忘れてしまったのか♪』


「名前を言わないのか」

『どうせお前は死ぬんだ、言っても仕方がない♪』

「じゃあ死神な。1人で死にに来たのかに対しての回答を言うわ。死にたいわけがないだろ。俺はこのダンジョンを侵食している。俺の城スキルでな」


『分かるよ、でもねえ、僕のジョーカーとモンスターで城のスキルを破壊できるよ』

「いやいや、来なくていいぞ。俺にハンデをくれてもいい」


『フトシが強気に譲歩を求めている』

『魔王感すらあるな』

『挑発してるね』


『俺にハンデをくれてもいいとか始めて聞いたわwwwwww』

『笑ってる場合じゃないんだよなあ』

『フトシの行動が分からん』

『俺はフトシを応援するぞ』



『僕は人間どもが困る顔を見るのが好きだ、殺すのが好きだ、だからハンデはあげないよ♪』

「そっかー。所でジョーカーって攻撃が当たらないのか?」


『君に当てるのは難しいだろうね。と、言ってもジョーカーは僕よりはとても弱い、ジョーカーを倒せたら、僕が相手をしてあげるよ♪』

「そっすかー。頑張って倒すわ」


『ゲーム開始だ、ジョーカーと駒たち、行け♪』


 グレート系のモンスターとジョーカー2体が攻めこんでくる。


「一応、中の様子を見せてやろう」

『それはどうも♪』


 画面に城の内部を表示させた。


『はあああ!なんで死神に情報を与えてるんだよ!』

『意味が分からない』


 俺はジョーカーを倒したことがある。

 あの時、ジョーカーに攻撃を当てられなかった。

 でも途中から当てる事が出来た。


 運には回数制限がある。

 多分、1日で回数が回復する。

 そしてジョーカーの運スキルは俺より強力だろう。


 俺は矢の道でジョーカーを狙いつつ、後ろにいるモンスターに攻撃を放つスタイルで攻撃をしていく。

 死神の顔を見ると、笑顔が消えていった。

 グレート系のモンスターが矢の道で倒され、何度もジョーカーが攻撃を躱していく。

 ジョーカーの運には回数制限があるで当たっているだろう。


『なるほどね。一気にモンスターを入れて倒すのがよさそうだ♪』


 グレート系のモンスターがなだれ込んできた。


『フトシいいい! 矢の道の弱点がバレたじゃないかああ!』

『不利になってるだろ!』

『フトシ、無理せず撤退してくれ』


「おし、受けて立つ!」


 矢の道にワープした。

 そして魔法攻撃を放って来るグレートガーゴイルとジョーカーを矢で狙いつつも、金棒を伸ばしてモンスターを狩っていった。


 ジョーカーに金棒で攻撃するが何度も避けられる。


 だが何回も攻撃すると急に攻撃が当たった。


「あ、当たった」


 ジョーカーが1体魔石に変わって、2体目も魔石に変わった。


『おおおおおおおお!倒したああああああ!』

『やったぜえええええええ!』

『フトシ最高!』


「疲れるから戻るわ」


 俺はプライベートルームに戻って倒した魔石を食べながら画面を見つめた。

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