第157話


 俺の作戦が通った。


 特級の皆にはダンジョンに向かってもらい、ジョーカーの相手をして貰った。


 その隙に俺とレンだけでドリーム1に向かう。

 後ろから配信用のドローンが付いてきた。

 駄目だった場合みんなが助けに来てくれることになっている。


 他の冒険者が入り口を出たモンスターを止めてくれた。

 特にユイはドリーム1からモンスターが出た瞬間に矢を放って倒してくれた。


 レンを先頭に俺が後に続く。

 レンが出て来たモンスターを即倒して道を切り開いた。


 2人だけでハザマがある大部屋に突入した。


 レンと俺がハザマが大量にある大部屋に入った瞬間に俺はスキルを使った。


「城!」


 俺の足元に魔法陣が展開する。


「ハザマ浸食!」


 魔法陣が大きく広がり、ハザマを城に飲み込んでいく。

 俺は無防備な状態でハザマの浸食に集中する。


「レン! 頼む!」

「ブルーサンダー!」


 レンが青い雷をまとって速度を上げた。

 モンスターを倒していく。


『うおおおおおお! ブルーサンダーTUEEEEEEE!』

『マジかよ! フトシに近づくモンスターはあっという間に倒れていく!』

『フトシの城スキルとレンのブルーサンダーがかっこ良すぎる!』




 俺の作戦は特級にはおとりになって貰いジョーカーを引き付けて貰う。

 そして俺はハザマを侵食している間、レンのブルーサンダーで守ってもらう。

 これで一気にドリーム1のハザマを飲み込む!

 出来るだけ早く、死神に気づかれる前に事を終わらせる。


 ガーゴイルが俺に魔法を放つ。

 俺は4発の魔法を受けながらもハザマを侵食する。

 早く終わらせる!


「フトシ!」

「気にするな! 攻撃を全部防がなくていい!」


 どんどんハザマを飲み込んでいく。

 全方位から放たれるガーゴイルの魔法攻撃だけは防ぎきれない、分かっていた事だ。


『フトシがどんどん攻撃を受けていく!』

『レン一人じゃ難しいだろ!』

『だが、物凄い勢いでハザマを吸っている』

『もしかしたら、行けるんじゃね?』


 そして最後のハザマを飲み込むと叫んだ。


「特級を撤退させてくれ!」


 レンのブルーサンダーが切れると、レンの手を取って城に入った。


「はあ、はあ、ごめん、防ぎ、切れなかった」

「いやいや、グッジョブだろ」

「はあ、はあ」

「レン、無理をさせたな」


 2人でハイタッチをした。

 

『2人の連携が完璧すぎる』

『多分、大人数じゃここまでの連携は出来なかった』


 俺はスマホを取り出した。


「特級のみんなは撤退できたか?」


『撤退した』

『でも、特級は結構消耗してる』


「ですよね、皆にも無理をさせた」


『フトシも魔法を受けまくってたのによく頑張ってくれた! 感動した!』

『グッジョブ!』

『ナイスファイト!』


 高速でコメントが流れていく。


 回復カードで傷を回復させる。

 プライベートルームからソファに座りながらハザマを侵食して矢の道でモンスターを倒していく。

 グラスにソーダとかき氷のブルーシロップを入れて混ぜた。

 レンとブルーソーダで乾杯をした。


 レンがブルーサンダーで活躍した後にブルーソーダで乾杯する。

 前からやってみたかったのだ。

 ゆっくりとモンスターが倒れていく様子を見つめた。


『レンとフトシだけでハザマを狩り尽くそうとしている』

『すげえ! 特級があんなに苦戦したのに2人だけで簡単にハザマを食い尽くすのか』


「おし、終わった。次はダンジョンに行くか」


『はああああ! 連戦するのか!』

『無茶だろ!』

『おかしくね! 無理すんなって!』


「いや、マジマジ。そういう作戦だ」


 俺とレンは城を出てダンジョンに向かった。

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