第144話
数日後、冒険者試験の日が訪れた。
レンの試験を見学する。
上級冒険者を雷神の速度アップで圧倒していた。
ユイは弓で上級冒険者と渡り合い、いのりは刀で上級冒険者と打ち合っていた。
そして、俺の番になった。
「はあ、はあ、次は、フトシ君か」
「あ、前試験の時にいた試験官の方ですよね」
「疲れた、3人も上級クラスを育てて、相手をするのは、きつい」
「あの3人は元々優秀でしたよ」
「本当に疲れた。マスコミの数が多い、見切りのシンもいる」
「シンさんに試験官を変わって貰いましょうか?」
「そうだな、公正な審判は彼が適任だろう。現状最高のジャッジが彼だ」
「シンさん!試験官の方が疲れてしまって、代わりに試験官を引き受けてくれませんか!?」
「構わない! だけど僕では君を測り切れないよ。上級レベル10を超えてるから!」
「シンさんにお願いしたいです」
俺はその後、シンさんの魔法を躱し、銃を躱し、剣と打ち合って試験が終わった。
結果
レン・ユイ・いのりは上級レベル1
俺は上級レベル5になった。
役所に行くと受付のお姉さんが俺に謝る。
「オオタさん、すいません、本当は上級レベル10の力はある事は分かっているのですが、慣習と言いますか、色々ありまして、1回の試験ではここまで上げるのが限界になっています」
上級になった冒険者は恩恵が大きい。
上級からランクの引き上げは慎重になるのだ。
「大丈夫ですよ。次は受けなくてもいいかなーとも思っているので」
「いえ、それは困ります」
「わ、分かりました。次も受けようかなー」
「そうして貰えると助かります」
「では失礼します」
「またのお越しを」
他の先進国は冒険者資格の取得基準が完全に自動化されていてルールが厳格だ。
日本だけがまだIT化の過渡期にある。
日本人の現場力が高すぎる為アナログな部分があっても何とかなっている為トップが現場に負担を投げている状態だ。
家に帰るとユイ・いのり・ヒトミに囲まれた。
「フトシ君、もう冒険者資格のアップに興味が無くなった?」
「興味無さそうな顔してたよ?」
「上級レベル1以上なら、困る事が無いからなあ。このままでもいいと思ってる」
「フトシ君は世界に発見されてしまったわ。良くも悪くも影響力が大きくなってしまったわね」
「フトシ、次の試験を受けないと問題になるよ?」
「そうか?」
「フトシ君、試験を受けないと何故受けないか聞かれます。それで理由によってはモンスター省が批判を受けますよ」
「……そう、か」
「フトシ君、上級冒険者の自覚が出てきましたね!」
「さすがに、グレート系を全種倒せるから、そこそこは出来るんじゃないかとは思っている」
「フトシ君、それだけじゃないわ。私と、ユイちゃん、ヒトミちゃんを育ててレン君を育てたわ。レン君を育てればレンパーティーも育つわね。育成にもかなり貢献しているわ。特級冒険者クラスの功績よ」
「砦のスキル無しでハザマ施設を2つ消滅させたよね?次もまた呼ばれると思うよ?」
「そうです! ハザマ施設の閉鎖を手伝う事になりますよ」
「しばらく様子を見てみる」
「フトシ君、私と旅行に行く約束は忘れてませんよね? ユイだけ、良い関係になってずるいです」
「その事をまだ聞いてなかったわ。たまに2人だけになろうとしているように見えるけど、具体的に何をしようとしているか聞きたいわ」
ダラダラと汗が流れる。
俺はユイだけではなく、スズメさんやレイカさんとも秘密の関係になっている。
「フトシ君、部屋が1つ足りません。私の部屋を使いましょう」
「ヒトミちゃん、フトシ君の部屋に私の荷物が置いてあるわ。フトシ君と私が一緒でいいと思うのよ」
「フトシ、2人は喧嘩してるからゆっくり出来る所に行こう」
「お、俺砦の進化が終わるまでビジネスホテルに泊まるから!」
「フトシ、待って」
「フトシ君、待ってください」
「フトシ君、ストップ」
3人に掴まれた。
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