第113話

 特級17人と俺でダンジョンに向かった。

 ダンジョンへの道は中級と上級冒険者が切り開いてくれる。


 俺はバスの中で眠った。



 起きると俺に座っているスズメに起こされた。


「フトシ、ついた」


 スズメが俺から離れると配信ドローンを起動させた。


「器が大きいねえ。ダンジョンに行く前に寝るか」

「いやあ、昨日あまり眠れなくて、その反動です」

「そうかい、フトシには負担をかけるが、またダンジョンの前で砦を発動させてくれ」


「昨日大活躍だったのに、連戦させちまう。悪い」

「フトシ君、ごめんね。砦を出したらゆっくりできるから」

「もう少し頑張ってくれ」


 俺はすっとスマホを取り出した。


『みんな頑張れ!』

『武具やアイテムが揃わない中頑張って頂いて助かります!』

『皆様には頭が上がりません』

『フトシ、頑張れ!』

『昨日はありがとな!応援してるぜ!』

『連戦がんばれよ!』


「は!100万人以上が見てる!」


『こっち見てる!』

『バレたか』

『見てるで~!』


「そりゃあ、特級だからな。世界からも見られてるだろ」

「昨日の国会議事堂配信の時はもっとたくさん見てたぜ」

「まじでか!」


「話はここまでだ、行くか!」


 ダンジョン前まではすんなりたどり着き、砦を使った。

 そして特級のみんなを見送る。


 俺はスマホで配信を見る。 

 大きな叫び声が聞こえた。


『グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!』


 ダンジョンからアシュラが出て来た。

 いきなりボスか!

 雑魚が見当たらないのは不幸中の幸いだが、アシュラと戦えばそれだけで消耗する。

 ダンジョン攻略どころじゃないだろう。


『ここで倒す!みんなで囲め!』

『『おおおおおおおお!』』



 ◇



 アシュラは特級のみんなが倒した。


 スマホのをコメントが高速で流れる。


『やったぜえええええ! みんな! お疲れ様!』

『まだダンジョンのこっとるがな! でもおめでとう!』

『いきなりボスとは、驚いたが勝てて良かった』


『待て待て!ダンジョンがおかしくね!?』

『は!崩れた!?アシュラを倒すと消えるのか?』

『いや、ダンジョンコアがアシュラを生み出すとまた新しいダンジョンコアが出来る!今の現象は完全にイレギュラーだ!』


 ダンジョンが消えてそこから、


 5体のアシュラが現れた。


「「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」」


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