第7話

 次の日、戦闘訓練で武器を扱う為みんなのテンションが高い。

 レンの武器は剣に決まっていた。

 レンが剣を振るとそのたびに女子生徒がレンに声援を送る。


 ユイは弓のサブウエポンとしてゴブリンのナイフを選んだ。

 ユイがナイフを振る度に男子生徒が見ている。


 アマミヤ先生が近づいて来た。


「オオタ、武器は決まったか?」

「いえ、槍を使ってみましたが、しっくりこなくて」

「シャドーランサーは槍を使っているんだがな」


「多分、ゲームの門番が槍を持っているイメージなので槍になったのかもしれません」

「そうか、全部試してみよう」


 アマミヤ先生は熱心に武器を選んでくれる。


「刀はどうだ?」


 刀をぶんぶんと振るが、良いのか悪いのか分からない。


「槍より良いですが、これが良いのか悪いのか分かりません」

「よし、消去法で行こう。ナイフ・剣・斧・ハンマー、全部使ってみようか」

「は、はい」


 俺はよく使われる全部振ってみるが刀の方が良い気がした。


「ん?先生、あそこの隅に置いてある武器はみんな取らないんですね」

「ああ、あれはマイナー武器だ」


 俺は吸い寄せられるように金棒を持った。

 手にずっしりときて重い。

 でも、振ると手になじむ気がした。


「気に入ったか?」

「重くて振り遅れるのに……手になじむような、使いやすく感じます」

「それはオーガの金棒だ。使う人間が少なく、訓練基本までしか教えられないデメリットもあるがメリットもある」


「メリットですか?」

「ああ、価格が安く、高性能な割に頑丈だ」

「でも金が無くて」

「両親に買って貰え」


「そうですね。相談してみます。ただ、重くて扱いきれません」

「大丈夫だ。魔石を食べれば能力値が上がる。それで解決する」

「分かりました。ありがとうございます」


 俺は武器を決め、ゴウタさんのハザマ施設で5体ゴブリンを倒して家に帰った。



 食事中に父さんと母さんに話を切り出した。


「相談があるんだけど、冒険者用の武器が欲しい」

「どの武器にしたの?」

「オーガの金棒」


「金棒か」


 父さんがネットで値段を調べた。


「分かった。早めに買っておく」

「ありがとう」


「それよりもハザマでは気をつけてね。危なくなったらすぐに逃げるのよ」

「そうだぞ。死んだら終わりなんだ。危なくなったらすぐに逃げろ」

「うん」


 俺は無事武器を買える事になってその日はベッドに入った。

 父さんも母さんも優しい。

 幼馴染にも恵まれた。

 俺は恵まれている。


 俺は、痩せれば変われるのかな?

 ハザマでの戦いは高揚感を感じていた。

 もう少し痩せて、金棒の扱いに慣れたら、前に出てゴブリンと闘ってみようかな?

 ベッドから起き上がって1階に降り、体重計に乗った。


 127キロ!

 3キロも減っている!


 ダイエットの効果が出た!

 来週もハザマダイエットを続けよう。

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