第8話
月曜の朝になり、体重計に乗ると130キロに戻っていた。
く!何という事だ!
休日は家に引き籠ってダイエット動画とハザマダイエット動画を見て過ごしながらお菓子を食べていた。
だが今週から俺は生まれ変わる。
マイルームにオーガの金棒を入れてある。
俺はパワーアップしているのだ。
今日も放課後は頑張ろう。
俺は自転車で学校に向かった。
【放課後】
レンとユイが戦った後、俺とアマミヤ先生でゴブリンのハザマに入る。
「マイルーム!さっきリトルスケルトンがいましたよ!」
マイルームに入ると画面を開いてリトルスケルトンを見る。
ゴブリンと同じくらいの体格をした剣を持った骨がゴブリンと一緒にマイルームに入って来た。
リトルスケルトンはゴブリンの半分くらいの速さだが、攻撃力が高いアタッカーでゴブリンよりもタフだ。
ゴブリン3体。
スケルトン1体か。
「当たりだな。ゴブリンに混ざって他のモンスターが出てくることもある」
シャドーがゴブリンを全滅させるが、後ろからリトルスケルトンが迫って来た。
「まずいな。シャドーランサーよりリトルスケルトンの方が強い。一旦この部屋に下がらせてリトルスケルトンがシャドーランサーを狙っている隙に後ろから殴り掛かるのがいいだろう」
「お、俺がせ、戦闘ですか」
新しい事を始めるのが怖い。
ましてやモンスターとの直接戦闘だ。
手が震える。
「そのための金棒だ。せっかくご両親に買っていただいたんだろう?」
「くう、分かりました」
そう、俺は恵まれている。
ピンチになれば戦う機会は出てくるだろう。
……やるしかない!
俺が念じると門が開いてシャドーランサーが快適空間に後退した。
リトルスケルトンがシャドーランサーに攻撃を仕掛けた瞬間に後ろから殴った。
ガシャン!
「はあ、はあ、たお、した」
「おめでとう。戦えるじゃないか。今の動きは良かった。よしよし」
アマミヤ先生が俺の頭を撫でる。
倒した俺より嬉しそうだ。
アマミヤ先生が俺に直接戦って欲しいと、そう思っていたのは気づいていた。
でも、やりたくなかったのだ。
……ここまで喜んでもらえると、やる気が上がる。
「どんどん行きましょう!」
「今日はやる気があるな。先生嬉しいぞ」
俺はシャドーランサーがやられそうな状況になると下がらせ門を開けた。
そしてシャドーランサーをおとりにして後ろから殴る事でゴブリンを倒していった。
戦術の幅が広がった!
そして、
「おおお!魔石がドロップしました!」
「いいじゃないか。すぐに外に出よう」
外に出ると嬉しくなってレンとユイに魔石を見せに行く。
「取ったどーーーーーーーー!!」
他のお客さんがにやにやしながら俺を見たが気にしない事にした。
「凄いじゃないか。食べればモンスター狩りが楽になるよ」
「うんうん、マイルームのスキルが強化されるかも」
「最初は使うのがおすすめだな」
「……」
「フトシ、どうしたの?」
「お金に変えようかな」
「ご両親にお礼をするのか?」
「お菓子を大人買いしたくて」
俺は即座に3人に囲まれた。
「魔石を食べると筋肉がついて痩せやすくなるんだ。魔石を食べた方が良いよ」
「魔石を食べればモンスター狩りが楽になるよ?お菓子じゃなくて魔石を食べようよ!魔石もおいしいから!」
「魔石を食べた方が良い。絶対にだ」
「でも、心に引っ掛かりがある」
「え?え?」
「お菓子を大人買いする事が脳裏に浮かぶんだ」
「う、うん、じゃあ何個か魔石を食べた後にお菓子を大人買いしようよ」
「今を大事にしたいんだ」
「それは将来を捨てると言っているのと同じだよ」
「レン、どうしてもやりたい。お菓子を大人買いしたい」
「えー!絶対に魔石を食べた方が良いよ」
「僕も魔石を食べた方が良いと思う」
「ゴブリンの魔石は1万円にしかならない。最初は食べるのがいいだろう」
「それでも俺は、お菓子を大人買いする」
俺は施設で魔石を換金して、お菓子を大人買いした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。