エピローグ 現代人とその後の世界

トーヤが10000階の攻略を達成した直後、トーヤはパーティーメンバーとの結婚式を発表し、国を挙げた式となった。


勝手にクラウドファンディングが設立され、多くの寄付金が集まった結果、盛大な式典となり、エワル国内外から祝福される。国のトップなのに表舞台にほぼ立つことなく、それでいて批判もされないのは圧倒的な力に対する畏怖からだが、戦乱に次ぐ戦乱の世を纏め上げたことに対する恩情によるところも大きい。


転移者は相変わらず1年に一度のペースでやって来るため、一度この理由についてトーヤは地下10000階にいる女神に尋ねたが、過去に女神自身が元の世界に戻るためこじ開けた穴が塞がらず、力も使い果たしてしまったため、どうしようもないということを告げられる。


……このトーヤと飲み友達となった女神は、元々この世界の神ではなかった。とあるゲーム製作者の空想する世界。低次元であるそこにぶち込まれた女神はこの世界のダンジョンの最奥に住み着き、元の世界に戻るために四苦八苦した。その過程で出来た穴がトーヤ達の通って来た次元の歪であり、1年に1人のペースで日本人が呼び出される。


その日本人達は無政府の考え方に、わりと従順だった。中には強烈に反発する者も居たが、少人数が文化を覆せるようなことはなく、次第にこの世界に慣れていく。


巨大企業が将来の労働力のために孤児や弱者救済に乗り出し、その巨大企業が自前の鉄道を持ちインフラ投資も行った結果、幾つもの計画都市が出来上がり、一極集中や社会福祉の問題に対する解決策は自然と出来上がった。


トーヤに十数人の男の子供と数百の女の魔物の子供が出来た頃、エワル国は世界を統一し、全ての大陸から政府を消滅させた。トーヤは死ぬ気というものが毛頭ない上、魔物達も無限の時を生きれるため、この世界では延々と無政府が続く。


文化、人種、人と魔物が入り混じった国になって長い時が経過した頃。この史上最小の政府を西暦2099年の日本領から来た日本人は絶賛し、こう記した。


『自由や多様性のせいで抑圧や制限しかない元の世界と、恐怖による抑圧や制限はあるが、その中で自由や多様性があるこの世界。この比較をした時、私は迷いなく後者を選択する』







※あとがき

これにて「異世界テイマー」は完結です。これまでたくさんのフォローや評価、応援コメントをありがとうございました。完結後の後書きですら使いまわしをする面倒くさがり屋がこの小説を完結させられたのは読者の皆様のおかげです。


このあと番外編として小話などを投稿するかもしれませんが、前に完結後のあとがきで同じようなことを書いて結局書いていないので、今後この作品が更新されるかは不明です。


今は少し疲れたので、ちょっとだけお休みして新作を書こうと思います。次回作のアンケートとかもたまにやっているのでよろしければTwitter(X)のフォローお願いします。⇒https://twitter.com/instantnoumiso


改めて読者の皆様、ここまでの読了お疲れさまでした。最後に評価を付けて下さると非常に嬉しいです。また次回作や他の場で会えることを楽しみにしています。これまでありがとうございました。


次回作URL⇒https://kakuyomu.jp/works/16818093088271343924

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