6日目 G組ケミカルパーティー
キララが後先考えないすっげー馬鹿になるので没。ケミカルの話をするのが目的だったのですが急遽模擬戦の話を書き下ろすことにしてそのエピソード内に挿入しました。エピローグは……整合性を取る労力を惜しんだのです。疲れ果てていたので……。
「かんぱーい!」
キララ主催のG組総員のパーティー。たった、今。全員が乾杯を終えた。
「へへ、パーティーってのはいいもんだな。お、この黄土色の肉、美味っ!」
「さとし、お前がその肉食うと共食いに見えんな……」
「食べ物はみんなでスーパーラグマ(スーパーみたいにでかいラグマ)で買って持ち寄ったけど、飲み物はキララが用意してくれたしな。気前がいいぜ!」
玄咲の耳が看過できぬ言葉を聞いた。
(キララが、用意しただと?)
「一斉に飲むんだよ? 皆で一丸になるって意味も含めてるからね。それじゃみんな! せーのっ! かんぱーい☆」
「かんぱーい!」
「「「かんぱーい!」」」
ス。
「玄咲、何で手を抑えるの?」
「……見てろ」
「え?」
G組が全員一斉にサイダー(キララ談)の入った杯を煽る。ゴク、ゴク。
「うまぁああああああああああああああああああああああああああい! こんなうまいサイダー飲んだことねぇえええええええええええええええええええええ!」
「脳に直接来るわぁアアアアアアアアアア! 脳まで痺れるゥウウウウウウウウウウウウウウ!」
「お代わり! もっとお代わりお母さん!」
「はいはーい☆ いくらでもあるよー☆」
G組の生徒たちは狂乱状態で飲み食いを8・2のペースで行う。シャルナはドン引きしていた。玄咲に尋ねる。
「これ、何」
「ケミカルだよ」
「……」
「あ! 天之くん飲んでない! バッテン!」
キララがずかずかと近づいて、玄咲のコップを持って吸飲を促す。
「はい、飲んで。飲ませてあげるから」
「!」
ガッ。
「むぐぅうううううううううううううううううううううう!?」
シャルナが自分のサイダーをキララに無理やり飲ませた。電光石火の早業。キララはキまった。
「きゃ、キャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ☆ やっぱりいつ飲んでもキララちゃんのケミカルは決まるなぁ! 安物の違法素材ゴリゴリだから体に悪いんだけど、とにかく決まるなぁ! キャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ☆」
「……やっぱり、ケミカル入りだったか。危なかった……」
「……キララちゃんって、もしかして、ヤバい子?」
「やっぱり、ケミカル入りだったか」
「飲まなくて良かったね」
「ああ」
キララの狂乱を戦々恐々見つめる二人に狂夜が近づく。
「……ふん。やっぱりな。手をつけなくて正解だった。お前らも懸命だったな」
「狂夜くん。君もか」
「ああ。俺は鼻が利いてな。異物はすぐ気づく。昔は食える食べ物とそうでない食べ物をよく嗅ぎ分けたものだ」
「種族特性の一つか」
「まぁな。食べ物にケミカルは混入してないようだぜ。安心して食え。もぐもぐ」
狂夜はホットドッグを一本取って食べながら去っていった。
「狂夜くんって、意外と優しいよな」
「玄咲にだけね(ボソッ)」
「じゃ、適当に食べよっか」
「うん」
2人は何だかんだで賑やかなパーティーを楽しんだ。飲み物はラグマで買い足した。玄咲は水を、シャルナは白ブドウジュースを頼んだ。最後は店から追い出されたが笑いの絶えないパーティーだった。
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