シャルナと編

第37話 シャルナとカードゲーム

 現在、玄咲とシャルナはテーブルの対面に座り合ってカードゲームをして遊んでいた。ゲームの名前は精霊王Magic&Devices。この世界で最も流行っているカードゲーム。トランプのように遊ばれている。寮に娯楽備品として備わっていたものだ。シャルナが手札から勢いよくカードをバトルゾーンに出す。


「行くよ! 私のターン! 爆雷王ナックルを召喚! さらにアタック・スぺル、アトミックバーン発動! 玄咲の白眼の天使龍(ホワイト・アイズ・エンジェリック・ドラゴン)に攻撃!」


 シャルナがURカード爆雷王ナックルで玄咲のURカード白眼の天使龍を突っつく。カードが痛むのであまりやらない方がいい攻撃方法。


「爆雷王ナックルの攻撃力は8000。白眼の天使龍の攻撃力は3000。超過ダメージは5000。俺のHPは残り4600だから吹き飛ぶな。俺の負けだ」

「やった。3連勝だ」

「その前は4連敗してたけどな」

「まぁね。さ、次行こ」


 会話しながら2人は展開していたカードを片付ける。そしてまた山札を互いにシャッフルし合って、再度ゲームを始める。ゲームしながら会話する。


「このゲーム、結構面白いね」

「シンプルで直感的だよな」

「頭もあんま使わないし、運ゲーだから誰でも勝てるしね」

「カードゲーム何て基本運ゲーだよ。その確率の隙間を突き詰めて勝利確率を上げる努力をするくらいなら他のことをした方が建設的だ。そういう馬鹿げたところも俺は好きだが、それはそれとしてどこまで行っても遊びだよ。軍内でカードゲームを使った賭博とかも一時期流行してたっけなぁ……」

「そうだね。先行でこんな手札引いたら、ワンキルできちゃうしね。実力も何もないよ」

「……うん。俺の負けだ。仕切り直そうか」

「そうだね」


 シャッシャッ。ドロー。今度は玄咲が先行。


「お、初手から爆雷王ナックルだ。手札を一枚捨てて特殊召喚。デッキから雷属性スペルを1枚手札に加える。カードを3枚セットしてターンエンド」

「ね、このゲーム、爆雷王ナックル、強すぎない? 召喚条件の割に、ステータスと効果が、強すぎない? 精霊神より、強いんだけど」

「調整ミスか、そうでなければある程度意図して壊してるんじゃないか。雷条家に配慮したとかさ」

「かもね。星龍王ステラ召喚」

「ディフェンス・スペル発動。オメガ・サンダー・フィールド。フィールドの全ての精霊を破壊する。ナックルは効果破壊耐性があるため破壊されない。さらにこのターン新たに場に出た精霊は攻撃力が2000ダウンして、効果が無効化される。攻撃力が0になった精霊は破壊される」

「そのスペル。嫌い。相手ターンなら、いつでも使えるのに、効果が雑に強過ぎるよ」

「でも、ナックルがいないと使えないから」

「でも、召喚時効果で、引っ張ってくるじゃん」

「うん……単純だけどサーチって強いよな」

「そだね。うーん、もう精霊は召喚できないよ。カードを2枚セットして、ターンエンド」

「俺のターン。今引いたグリフォの大息吹発動。スロット伏せカードを破壊」

「あ!」

「アタックスペルアトミックバーン。ナックルの攻撃力を2倍にして攻撃中相手効果を無効化する。さらに一度のバトルフェイズで全ての精霊に攻撃できる。でも今は精霊はいないからシャルにダイレクトアタック。8000ダメージだ」

「負けた」

「勝った」

「今のは理想的な、クソゲーだったね」

「そうだな。正直面白くはなかった」

「ナックル、抜いてやろうか」

「そうだな。代わりに轟炎王カイザでも入れるか」

「私は、水麗双姫アクエリアスでも入れてみようかな。うーん、それとも、真紅眼――」

「どっちも試せばいいよ」

「そだね。じゃ、まずはアクエリアスから」


 さっきよりも良ゲーになった。の緩衝材にカードゲームは最適だった。

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