第10話王女と女騎士とメイド

 本日も配信予定なので、中級者ステージの新しいフロアに入ったところだった。

 配信者達が大勢引き返してきていた。


「助けてーーー!」


「逃げろ、逃げろー!」


「どうなってんだよーーー!」


「何なんだ……あれは……聞いてないぞ……」


 またですか……? 今度はなんですか……? また美少女助ける的な……。

 フロアには、状態異常を引き起こすモンスターが大量に発生していた。

 一匹一匹は大したことはないが、とにかく数が多すぎる。


 麻痺になって痙攣している者や、毒状態で苦しんでいる者もいた。


「……あ……あ…」


「助けて、苦しい……」


「キュア」


 ワイは、魔法で状態異常になっている配信者達を回復させる。


「ありがとうございます」


「助かりました」


「お礼はいいから、早くフロアから出て!」


 ワイは、彼らを速やかに避難させた。

 モンスター達は倒しても倒しても湧いてくる。

 そして、フロアの中央には、倒れている女性と、2人の女性が倒れている女性を守りながら、モンスター達と戦っていた。


「ベティーナ、死んでも姫様をお守りしろ!」


「分かってるよ……、シャル……。でも、数が多すぎるよ……」


 シャルと呼ばれている女性が剣でモンスターを切り捨て、ベティーナと呼ばれている女性が、大鎌を振り回し切り捨てていくが、全く数が減らない。


「もう良いのです……。シャル、ベティ……、貴方達だけでも逃げて下さい……」


「何を仰っているのです! 諦めては駄目です!」


「そうだよ! 姫! 諦めないで!」


 目の前には絶望的な状況が広がっている。

 ワイは、スマホの画面に目をやる。

 フロアの全てのモンスターの位置が表示されている。

 全部で350体。

 行ける。


「サンダーボルト」


 一瞬にして、フロアのモンスター達が消し飛んだ。


「な⁉」


「え……⁉」


 目の前の二人は驚愕している。

 だが、ゆっくりしている場合ではない。

 状態異常になっている女性を助けないと……。


「キュア、ヒール!」


 そして、残りの2人の傷も回復させる。


「あ、……貴方は最近話題になっている……。い、いえ、それより、ありがとうございました」


 姫と呼ばれていた女性からお礼を言われた。

 彼女は、頭にティアラを付けており、豪華なドレスに身を纏っていた。

 清楚な雰囲気は正にプリンセスといった感じだ。

 杖を身に着けており、ワイ以外にも魔法が使える人間がおるんかいなという疑問が生じた。


「君、姫様を助けてくれてありがとう」


 シャルと呼ばれていた女性だ。

 長身で、深紅の髪は腰まで伸びていた。

 目つきは鋭く、圧倒されそうだ。

 凛とした雰囲気の女騎士といった感じだ。


「キミ、見たことあるよ。スゴいね~。カッコよかったよ」


 ベティと呼ばれていた女性だ。

 低身長で、メイド服を身に纏っている。

 のんびりとした雰囲気とは対照的に、大鎌を装備している。

 初めて大鎌という物を見た。

 めちゃめちゃ怖いやん。

 ワイの首刎ねる気か……。


 そして、この3人を見たワイの感想は、日本語ウマってことだった。

 ダンジョンには、転移装置があるので、外国からでも日本のダンジョンに挑戦でき るが、それでも、ワイにとってはカルチャーショックだった。

 全て解決したみたいだし、ワイは帰ることにする。


「それじゃ、ワイ、いや、僕はこれで」


「あ、あの、もうちょっとゆっくりしていかれては……?」


「そうだぞ、君。こちらもお礼が言い足りない」


「そうだよ~、ボク、キミに興味があるんだよね~」


「いや、大丈夫です。それに貴方達も早く帰った方がいいですよ。また、モンスターが湧いてくるかもしれないですし」


「ま、まあ、確かに……」


「むぅ……、言われてみれば……」


「え~、ボク、もっとキミと話したかったのにな。ざんね~ん」」


 メイドさんの1人称が、ボクってことが気になったが、ワイは、3人に早く帰るように促す。

 最近何故か、ワイに興味を持ってくる人が多いが理解できない。

 こんなコミュ症に……。


レベルが上がった


レベル42

HP378

MP430

攻撃力298

防御力305

攻撃魔力401

回復魔力448

魔法防御310

命中285

回避291

運1350


魔法


  ファイアボール

  ヒール

  ブリザード

  キュア

  ウインドカッター

  サンダーボルト

   ホーリーアロー

  ウォータープレッシャー

   ロッククラッシュ


  ダークネスを覚えた

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