第3話ニート、レベル上げする
少し上の階層に挑戦することにした。
辺りを見回しながら進んでいると、キラーウルフに囲まれた。
「グルルルルルルルルルルルルルルーーー!」
絶体絶命だ。
なんてことにはならなかった。
「ファイアボール!」
「キャイーンーーーーーーーーーーー!」
狼共は、獲物見つけてしめしめという感じだったろうけど、残念だったな。
狼共からしたらザコ臭たっぷりの陰キャがネギ背負ってやってきたって感じだろうけど、こちらもヤラれるわけにはいかない。
「皆さん、どうですか? 楽勝でしたでしょう?」
誰も見ちゃいないし、聞いていない……。
配信アプリを確認してみると相変わらず登録者0、同接0。
いや、家族は見ろ! そして登録しろ。
レベル上がった。
レベル5
HP37
MP52
攻撃力21
防御力25
攻撃魔力49
回復魔力58
魔法防御46
命中28
回避30
運261
魔法
ファイアボール
ヒール
ブリザードを覚えた
キュアを覚えた。
モンスターの群れを倒したから、レベルが複数上がった。
さらに上の階層に上っていく。
「グオオオオオオオオオオオオオーーーーーー!」
ジャイアントベアの群れだ。
新しい魔法を試そうかとも思ったが、MP節約のためにファイアボールを使うことにした。
「ファイアボール」
「グウウウウウウウウウウウウウウウーーーーーー……」
でかい図体だし、魔法が効くか不安だったが問題なく効いた。
「どうですか、皆さん? こんな巨体を瞬時に燃やし尽くしましたよ! 爽快じゃないですか?」
やっぱ、誰も見てねえ……。
コミュ症のワイは人に見られるのが好きじゃないから、気楽でいいけど、生活のためには見てもらわないと始まらない。
さらにレベルアップ。
レベル9
HP78
MP98
攻撃力69
防御力75
攻撃魔力95
回復魔力102
魔法防御80
命中61
回避72
運359
魔法
ファイアボール
ヒール
ブリザード
キュア
ウインドカッターを覚えた。
レベルが結構上がってきたので、さらに進むことにする。
「……ハイジョスル……」
今度は何だと思っていたら、土人形、ゴーレムって奴か。
ヤバそうな奴だったので、ゴーレムのステータスを調べてみる。
物理耐性が付いている。物理無効じゃないので殴れば多少は効くかもしれないが、 危険なので魔法で攻めることにする。
「ファイアボール!」
「…………」
あまり効いていない。
「皆さん、心配しないで下さい。すぐやっつけますからね」
強がりを言ってみたが、内心バクバクだ。
新しい魔法を使ってみることにする。
「ウインドカッター!」
「グガガガガガガガガガ……」
風刃が、ゴーレムの四肢を切り飛ばす。
だが、頭部と胴体には致命的なダメージを与えられない。
もう一つの新しい魔法を使うか。
「ブリザード!」
氷の粒がゴーレムの体を覆う。
「皆さん、氷像の出来上がりですよ。すごくないですか?」
目の前にはゴーレム製の氷像が。
結構おもろい光景である。
「……………………」
「……………………」
「……………………」
「……………………」
「……………………」
「……………………」
「……………………」
「……………………」
「……………………」
「……………………」
いくら待ってもレベルアップしないんだけど……。
凍らせただけだから戦闘終了ってわけじゃないんだ……。
記念にゴーレム製の氷像を、このフロアに飾っておきたかったけど経験値入らないし、そういうわけにもいかないらしい。
凍ったゴーレム像をウインドカッターで壊す。ボロボロと音を立てて、崩れ落ちていく。
断末魔すら上げることもなく、自分が倒されたことにも気づいてないだろう。
レベル上がった。
レベル15
HP131
MP162
攻撃力107
防御力116
攻撃魔力139
回復魔力161
魔法防御152
命中102
回避114
運546
魔法
ファイアボール
ヒール
ブリザード
キュア
ウインドカッター
サンダーボルトを覚えた。
雷魔法覚えた。
ワイ、雷嫌いなんやけどな。
まあ、自分に使うわけじゃないけど。
幾層か歩を進め、モンスターを倒したが、やっぱり誰も見ていなかった。
何度も言うが、家族は見ろ!
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