第14話【都市伝説】赤子の霊が寄ってくる川

 

 こんにちは。オカルトライターのMAYです。

 皆さんは水泳が得意ですか?MAYはクロールと平泳ぎなら25mは泳げます。

 でも、遊泳区域以外の海や川では絶対に泳ぎません。よく知らない川にも近づきません。だって、水難事故は怖いですから。

 今年もまた増えつつある水難事故への注意喚起を兼ねて、今日は西国地方のとある川についてのお話をご紹介しますね。



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 穏やかで風光明媚な景色を楽しめる西国地方の山間に流れる一級河川【小依こより川】。その地質は花崗岩層が流出していてもろく、河岸に砂浜が多くできる砂河川である。

 この小依川の長閑のどかな光景は常態ではない。かつて、この地は幾度となく天災に見舞われ、激しい飢饉が起きた。不作となった農民たちの生活は苦しくなった。


 ―――――そんな状況では子供を増やすことができない。


 しかし、当時は今日のような避妊、中絶技術はなく、望まない妊娠をした女たちは十月十日を経て、そのまま出産に至ることが多かった。

 むろん、出産しても育てることはできない。

 主となる農産物にしっかりと日を当て、栄養を集めるために他を取り除く【間引き】になぞらえ、口減らしのために分娩の直後に嬰児を殺めることを我が国では間引くと表現する。この地方の慣習として、間引かれた子は生きたまま川に流された。

【水子】という言葉は、生まれてすぐに川に流して間引いたこのような風習から来ているとする説もある。


 当時の死生観、倫理観は現在とは異なっていた。胎児、子供に対する人権は今日のように確立されておらず、間引き、子殺しは頻繁に行われていた。我が国で、このような残酷すぎる歴史があったことを忘れてはならない。


 ところで、私は【流産】という言葉は親の側の気持ちを表しているのかもしれないと考える。

【お流れになった】とは、自分ではどうしようもなかったという不可抗力を意味する。【流】の文字は、子の誕生を望んでいたのに叶わなかった、実現しなかったという子を惜しむ無念な気持ちを表していると考える。

 また、【川に流す】という言葉は、川の浄化作用、或いは川の流れによって運び、消し去ることで、罪を清めたり、穢れを落とすような意味合いを持っていると考える。これも【流れる】と表現することで、生まれなかった子の死の穢れを清めることに繋がっているのではないだろうか。


 そして、生まれ落ちた子をすぐに川に流すという風習は、生まれずに流れてしまったと見做し、腹の中で消えてしまったと割り切る気持ちを含んではいないか。間引きを行った大人たちはそうやって罪悪感を減らしていたのではないか。


【小依川】は明和時代以前は【子寄川】と表記されていた。


 生まれたことにも死んだことにも気づくことのない哀れな赤子の魂は、小依川の清流に抱かれて、今日も水中を漂っているのかもしれない。


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 最近、小依川近くの廃校動画が流行っているみたいですね。MAYも興味津々でチェックしています。

 しかし、先日、廃校を訪れたYouTuberさんが、その後、小依川で水難事故に遭い、お二人が溺れて亡くなっていたという痛ましいニュースを耳にしました。

 皆さんも川の事故には、くれぐれもお気をつけ下さい。

 人ならざる者に「おいでおいで」と、手招きされるかもしれませんが、どうか行かないで下さい。皆さんも水中で揺らめくたくさんの小さな手に、捕まりたくはないですよね。


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 MAY

 オカルト、悪魔信仰、猟奇事件、都市伝説を中心に、国内外で集めた不思議で怖い話を紹介しています。


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 この記事を書いた人

 MAY


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 タグ

 間引き / 子殺し / 子寄川 / おいでおいで / 水子


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 1年前

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