第8話【都市伝説】死者の時計スペラ


 こんにちは。オカルトライターのMAYです。

 今日は巷で騒がれている超高級時計パトリック・フェルプスについてのオカルト話を入手したので、皆さんにご紹介しますね。


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【時計】は人類にとって、特別な意味合いをもつ道具である。

 絶え間なく定まった間隔で円を描き、時を刻み続ける時計は永遠と流転あるいは輪廻を象徴する。時計は心臓の鼓動のように動き続けるものであり、時計が停止するということは、ある種の【死】を連想させる。


 ―――――止まった時計は【死んでいる】。


 また、時を経た物には魂が宿るというが、作った者あるいは贈った者の願いがこもった物、持ち主が大切に愛用した物、代々受け継がれてきた物には特に強いエネルギーが集まるとされる。人が亡くなった時に身につけていた物、特に亡くなった時間で止まった時計には強い思念が延々と残り続けることも有り得る。


 現在、王立自然科学博物館アルカで厳重に保管されている青い時計【スペラ】もそんな思念が宿る強いエネルギーを持つ時計とされる。

【スペラ】は1924年に天才時計職人パトリック・フェルプスが制作した美しい青い薔薇モチーフの時計だ。

 この時計は同年に戦犯として処刑された【青薔薇の魔女】と呼ばれた17歳の女諜報員スパイの身につけていた物とされ、彼女が亡くなった時刻の【6時11分】で止まったままになっている。


 ―――――この【スペラ】には死を招くという噂が絶えない。


 それは【忌み数17】への恐怖症【ヘプタデカフォビア】に由来すると言われる。ローマ数字で不吉とされる【XVII(17)】はアナグラムで文字を入れ替えると、【VIXI】になる。

【スペラ】の停止時刻は【6時11分】すなわち【VI=6】【XI=11】。


【VIXI】はラテン語で【私は生きていた】を意味する。生きたことが過去になってしまった者。それは墓石に刻まれる死者たちの言葉である。


 ―――――つまり、私は【死んでいる】と。


 この恐ろしくも美しい時計【スペラ】の所有者は、その後、次々と変わるのだが、所有者となった王侯貴族の血をひく御曹司、一代で巨万の富を築いた企業家の青年、世界を魅了した映画女優、何度も金メダルを獲得したオリンピック選手等、成功し、若く健康に問題のなかった者が、突然の破産、薬物中毒や不慮の事故、または親しい者の死など、散々な不幸に見舞われる事態に陥る。不幸の連鎖は17回にも及び、 死者は12人とも13人とも言われる。


 ―――――所有者が亡くなった後、時計の針は必ず【6時11分】を指して停止する。


 死を招くとして恐れられた時計【スペラ】は、最後の所有者になった亡き富豪の妻の手によって、前出の博物館に寄贈され、今日に至る。


 もう誰の時も刻むことのない【希望スペラ】は救いのない【絶望6:11】を宿す。青薔薇の乙女は死を抱きて、永遠に眠り続ける。

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 皆さん、いかがだったでしょうか?

 皆さんのお手持ちの時計は大丈夫ですか?

 人が亡くなったり、不幸に見舞われるようなことはありませんか?【6:11】で止まっていませんか?

 もし、赤いパトリック・フェルプスをご存知の方で気になることがあったら、MAYにご一報下さいね。

 そう言えば、先日亡くなった俳優の藤河くりすさんのアイオーンも強い思念のこもった時計の一つだったのかもしれませんね。

 ご冥福を心よりお祈りいたします。

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 MAY

 オカルト、悪魔信仰、猟奇事件、都市伝説を中心に、国内外で集めた不思議で怖い話を紹介しています。

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 この記事を書いた人

 MAY


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 タグ

 パトリックフェルプス / 忌み数 / 死 / 時計 / 呪い

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 6ヶ月前

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