バグ技使って除霊無双~仮想世界に幽霊が溢れて脱出不可能に?救助に向かえと言われても俺、ゲーマーなんですけど。え?実況配信OK?行きます!~
第4話 【2nd.ユニバース】ゲーム実況スレ part203
第4話 【2nd.ユニバース】ゲーム実況スレ part203
鳥居の先に旅立っていったトオルたちを見送ったあと。怪異の対策室に戻ってきた逆左 凪は、大きな溜め息を吐いていた。
「逆左代表、本当に彼に任せても大丈夫なんでしょうか」
「……不安かい?」
「特殊部隊が警護に着くとはいえ、いくらなんでも危険すぎます。ましてや仮想世界に生身の肉体で向かうなど……」
部下である男性科学者は、頭上にある巨大モニターを心配そうな表情で見上げた。そこには十数名の屈強な者たちと共に歩く、トオルの姿があった。彼は政府と会社が用意した戦闘経験者たちに警護されながら、これから仮想世界に取り残された者たちの救出へと向かう。
「確かにね。もしかすると、二度と現世へ戻ってこれないかもしれない」
「あの鳥居は得体が知れないんですよ!? いったい何が起きるか分からないですし」
「そうだね。だけど、あちらの世界は我々の作ったものだ。であれば、ある程度はコントロールできるはず」
「で、ですが……」
彼女は肩をすくめながら、端的に説明をした。
「彼はたしかに体は軟弱で性格にも難がある。だけどゲームを攻略することに関しては天才的な能力を発揮するんだ。長いこと彼を見てきた私は、そのことをよ~く知っているよ」
ナギは自分のデスクに戻ると、椅子に座り込んだ。そしてキーボードをカタカタと打ち鳴らしながら、部下に向かって指示を出す。
「それよりも、彼のプレイを配信する準備はできているかい?」
「はい。いつでも開始できます。……ですが本当に良いのでしょうか?」
「あぁ、もちろんだとも。それが彼の望みだっていうんだから、こちらも彼との約束は最大限守らなければ」
今回、トオルとナギが交わした約束はひとつ。
トマトちゃんねるで救出する様子を配信するということ。たったそれだけである。
他には何にも要求しなかった。
「くっくっく。相変わらずだねぇ、トオル君は。金や女よりも、実況に命を懸けられるなんて……そんな大馬鹿者、やっぱり彼しかいないよ」
ナギは楽しげな笑みを浮かべると、手元にあるスイッチを押した。その瞬間、トオルたちの姿が見えていた画面がそのまま動画配信サイトとリンクされた。
さらに彼女専用の端末で操作を続け、2nd.ユニバースの公式サイトやSNSアカウントから、今回の事件に関する声明を投稿した。
《2nd.ユニバースの怪異について公式から発表があったぞ!》
《良かった、救助隊が向かっているらしい!》
《自衛隊か?》
《いや、特別に編成された特殊部隊のエリートだそうだ》
「ふふふっ、盛り上がってきたわね。せっかくだから、トオル君の喜ぶようなプレゼントもしておこうかしら」
追撃とばかりに、彼女はさらなる情報を公開した。
《――続報? 隊のメンバーとして専門家が同行だってよ》
《この隊員リストにあるトマトオルって誰だ?》
《まさかあのチーターで有名なトマトオルか!?》
《おい見ろよ。配信サイトで救出の実況放送をしてるぞ!》
誘導したナギの狙い通り、トマトちゃんねるへのリンクを踏む者たちの数が瞬く間に膨れ上がっていく。視聴者数はうなぎ登りとなり、コメント欄にはトオルの名前を書き込む者たちが続出していた。
「トオル君、これで義理は果たしたわ。あとは頼んだわよ?」
ナギはクスリと笑うと、再びトオルの配信へと意識を向けるのであった。
【2nd.ユニバース】ゲーム実況スレ part203
・基本sage進行
・情報は証拠と一緒に
・晒し等は専用スレにて
605:名無しの旅人 ID:rUf9b7Hlk
俺の推しが帰ってきた https://www.doutube.com/watch?v=Ggj7y1alsaTg
610:名無しの旅人 ID:zI0jK6XoL
>605 この浴衣の子、可愛いね。食べちゃいたい
611:名無しの旅人 ID:rUf9b7Hlk
>610 そっちじゃねぇw 隣にいるトマトの頭おかしい方だよww
それにその黒い浴衣は変異した赤子鬼だ。逆に喰われるぞw
612:名無しの旅人 ID:OJpxeQZtC
>605 これってトマトオル? 懐かしい~。なんかイメージ変わったね
613:名無しの旅人 ID:PNVB8Fa2M
>605 トオル君だー!! おかえり!!
614:名無しの旅人 ID:i4hR2cDqm
>605 なんや、チーターのトマトおるん?
615:名無しの旅人 ID:AY2nE2lWu
>614 その煽り懐かしいなww
今回の2nd.ユニバース事件での救出隊に参加してるらしいじゃん
トオル君ならきっとやってくれると信じていたよ(涙)
ありがとうトオル君、死んでも君の勇姿は忘れないぜ……
616:名無しの旅人 ID:+2Y1ZS7hH
そういえば、例の鳥居はどうなったんだろうな
運営が救助隊の前に調査隊を向かわせたらしいけど、アレって報告待ちだっけ?
617:名無しの旅人 ID:T1r8gc8dH
まだ調査中とか言ってたな。
もしかして、もう……
618:名無しの旅人 ID:ZJ2nfs9U2
よく政府が許可したよな。
普通に考えて、あんな危険な場所に行く奴なんていないだろ。
619:名無しの旅人 ID:T2fyj7dmJ
>618 それな。あんな化け物、倒せる奴なんていねーよ。
620:名無しの旅人 ID:Tgc1r88dH
深夜帯とはいえ、千人以上がまだあっちの世界にいたんだぜ?
さすがに政府も何かしらのアクションをせざるを得ないっしょ。
こんな異常事態を野放しにするなんて、ちょっと考えられないわ。
621:名無しの旅人 ID:k0gk6tT6l
>620
運営の『アゲハプロジェクト』って、元は政府直属の研究所だったわけだし。
まったくの無関係ってわけにもいかないだろうね。
622:名無しの旅人 ID:ZJ2nfs9U2
まぁ、仮に鳥居の先が別世界だったとしても、現実世界に影響はないみたいだからな。
俺らみたいな一般人には関係のない話さ。
623:名無しの旅人 ID:AY2nE2lWu
それより俺は、あのトオルが再び実況界隈に戻ってきたことに驚きを隠せない。
あの事件はたしかに彼が悪かったけどさぁ。
またあのメチャクチャなプレイが観られて何だか感慨深い気持ちになったわ。
624:名無しの旅人 ID:yKG7e7v7v
やっぱりあの人は凄いわ。
あんな状況でも楽しそうにゲームをプレイしてるし、応援したくなる。
625:名無しの旅人 ID:k0gk6tT6l
それだけみんなが注目していたってことだよね。
私もトオル君の実況動画、大好きだよ。
いつか一緒にプレイしたいなって思うくらい。
今回は赤子鬼が相手だったけど、次はもっと難易度の高い敵を相手にするのかしら?
626:名無しの旅人 ID:AY2nE2lWu
>625 今度はRPGらしい
――――――――――
ご覧くださりありがとうございます。
もし面白ければ、星評価を入れてくださると嬉しいです!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます