最終話 ハンガリーの諸費税率に届け!
か、可愛い! ウザイけど可愛い! 繁々と麗奈を見詰め、微笑みが毀れたと同時に麗奈の肩をガシッと抱いた。
いきなりだったから驚いた麗奈を優しく諭す様に「オマエの何を言う天然記念物的な性格がアタシのササクレ立ったハートを癒してくれるんだ?」抱いた腕を両肩に掛けて、両肩に掛けた腕を伸ばして麗奈をしばらく見詰めたが、「ダメだ! ドラキュラには為れない。」
「友情の証としてだぞ麗奈?」
麗奈のセミロングポニーテールの眉間を目掛け、優しくフレンチキスをした。
そんな三咲に泣きそうな面持ちで「好きですよセンパぁイ?」
「何処まででも付いて行きますぅ。」両膝に掛かるナース服の裾をギュッと握り締め小さな右手を差し出すと言い難そうに、「けどぉ、オニギリ代くださぁい?」キョトンとする三咲に小首を傾げて微笑を返した。
「あ、そうかそうかハイよ、517円とは細かいな、十%か消費税は?」
「470円の十%ですょサキセンパイ?」
「そうか、でももうじきハンガリーの税率に近付いて世界一高い消費税になるよ、もうすぐ・・・。」予言めいた直美の言葉に指折りしながら青褪めた顔を覗かせた麗奈だった。
「貧血か?それにしてもGDPが前年比で2.1%増加したらしいじゃないか、中央銀行の総裁が踏ん張ったんだ? んで、酢豚は?」しれっと言った三咲に・・・。
「そんなのないですぅー。」と、拗ねて見せた。
「アハッ、うそウソアリガトな、麗奈。」
潤んだ瞳を見詰めた三咲は、「ウン・・・大切にするよ、オマエの友情・・・。」なんだか嬉しそうだった。
二人の輪郭に白いオーラが浮き上がり空へと舞い上がったが、それは永田町のある東の方角へ導かれたのか、令和元年の空を滑る様に飛び去って行った。 (了)
輝く女性達 しおとれもん @siotoremmon
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます