第30話 庄屋三咲インフルエンサー
県立鈴蘭医科大北医療センターの夕食は慌ただしく午後6時半に配膳し、患者が食事を終えた頃に下膳を終え夕食後の投薬も済ませるのは午後8時前だった。
食後の投薬を担当するのは介護士ではなく三咲や麗奈らの看護師だけに限定されるからその仕事の一環として、配膳や下膳をルーチンで請け負う三咲や麗奈がこの時間に取っては戦争の様で慌ただしく息つく暇もない有り様だった。
午後8時過ぎにようやく休憩を取り、ひとときの休憩の時間、二人は・・・。
ナースの休憩室は三咲と麗奈の休憩室と化し、「若い衆に政治・経済に関心を持ってもらう為に有権者が18歳以上になったんだろうな・・・。」週刊誌を読みながら縦長のクッションに寝そべり三咲は麗奈と政治家への道を勉強をしていた。
「でも立候補をするには、ナースを退職しなければいけないんだろう? 」
「どうするよ麗奈?」イヤイヤと、手を降りながら「私は立候補しませんよセンパイ?」
なんだそうかよ。と呟いて口先を尖らせ週刊誌記事に眼を戻した三咲は、「秘書になれや麗奈?」独り言を吐いていた。
もはや庄屋三咲はインフルエンサー。
その傍らに鎮座しろと言う三咲の本意は計り知れなかった。
この人は本気で当選するつもりだ・・・。
と
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