第27話 政治家の想い

 指差した位置は麗奈の座るクッションの左端のマットレスだったから「ィヤア!」と小さく叫んで尻を浮かせた。直立していた。

「ゆ幽霊ですかあ、サキセンパイ?」スッカリ直立不動で両手はクロスをして胸を押さえていた。

 「マア、な・・・。」と普段よりもトーンを下げ気味に滔滔と、語り始めた。

「アタシが目覚めて足許を見たらじいさんが立ってたんだ。」と言い、続けた。

「なんだい、じいちゃん? なんか言いたいんか?」

「それがよう?」腰に両手をあてがい、「な・ん・と!」麗奈を三回指差した。

「田中の角栄さんだったんだよオマエ、麗奈、看護婦さん?」スッと立ち上がり麗奈へ両眼を見開き両肩を掴んで力一杯のベクトルで、グイグイと、圧を掛けた。

「い、痛あいセンパイ! たな・カクさんですかぁ?」痛がる麗奈に構わず角さんの物真似をやりだした三咲のダミ声が面白くて口許を指で押さえて声を殺していた。

 肩と胸が揺れていた。

「へえー、

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