第26話 角さん夢枕に立つ!
2019年4月1日には5月1日の天皇陛下譲位の予定により元号は大伴旅人(おおともたびと)が万葉集で詠う「梅花の歌」から平成より改元される新元号が発表された。
各野党からは、「令は、命令の令。指令の令、一党独裁の右傾化政治だ。」etc等と揶揄されていたが、新元号刷新の日が来るまで時間の問題だった。
コン、コンコン! 午前2時、通路が直線で70mある病棟の最北端に設けられたナース休憩室をノックするが返答がない。
「爆睡中かな?センパイ入りますよ?」スライドドアを半分だけ開けて身体を左横から滑り込ませた。
スライドドアの奥は仮眠室というより休憩コーナーと言う方がしっくり来ていた。
下駄箱アプローチから小上がりを跨ぎ畳8枚を敷いた所謂八畳の和室で人が仮眠出来るスペースは、あった。
木製の座卓と部屋の右奥角には病棟中央の待合室にて、手腕を奮ったものの経年劣化し、更迭されたブラウン管型のテレビが延命処置の末、立ち上がりが鈍いテレビとして採用されていた。
その座卓の向こう側で、三咲は胡坐をかいてチョコンと鎮座していた。
「起きていたんですか、三咲センパイ?」そう言いながら麗奈は三咲の座っている横幅のあるクッションの左端へチョコンと腰を降ろした。
尻を着いてベタ座りしていた。正座から胡坐に座り直し、背中を丸めて胡坐の右肘を太ももに突け考え事をしている様だった三咲にどうしたのかと、問いかける麗奈に・・・。
「で、よう?」は?という表情を三咲に向けた麗奈に驚くなよ?と、前置きして麗奈に語りだした。
「立ってたんだ。そこに・・・。」
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