第22話 バリーを背負う女


 2018年春。

県立鈴蘭医科大北医療センター三階ナースセンターにて、新人ナースがバイタル測定時に受けたセクハラに対して戎面を合わせスタッフミーティングを立てるナース達が居た。


「イヤッ!」患者の愚行を否定出来ない入職半年ばかりの麗奈は血相を替えて看護師長に掛け合った。

 上下肢が筋緊張していた。

瞳孔は開き、心肺が激しく生き急いで、もう張り裂けんばかりの鼓動はマックスだった。

 ポニーテールの毛先が乱れていて貧血の症状に似た眼前に砂嵐が襲来していたが、気を取り直して病室から通路へ出たら涙が頬を伝うが、気丈にも私物のミニタオルで涙を拭った。

「血圧測定中に胸を触られたんですう師長?」

「卑怯者! 女性の瞰だわ!」憤りを隠せない師長の松田は、「古市さんは確信犯で傍若無人に行動するから気をつけて、身体を触られたなら窘めて?貴女が騒いだならば、面白がるわ?コンプライアンス違反でも老人は許されると思っているから確信犯なのよ!?」

 納得がいかない! 未成年だから、年配の病人だからと一々コンプライアンス違反に眼を瞑っては居られない! ナースは性欲のはけ口じゃないわ!「重大インシデントに為らないうちに対処しなければ!」松田は握り拳を胸前で翳し、眉根を寄せてギリギリと歯軋りをしていた。

 一方

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