第20話 日本列島改造論
小学校の卒業文集の「僕の夢」という欄に寄せ書きをしたケンの夢・夢・夢・・・、マイドリーム。
国会議員になる術は知らないばかりか国会議員の仕事すら未知だ。
なのに、カミングアウトしてしまったケンの夢・・・。
神戸市はシティだから手始めに市議からなのだろうと、踵を返す反射神経は備わっていなかった。
そんなケンの無垢の夢は付かず離れず、ひたすら日常を織り成し、歳を取ってその夢は、ケンの傍らに居たと言う事になるのだろう・・・。
昭和47年12月30日。
東京見学の為、初めての新幹線は本当に速かった。新幹線ひかりは時代の最先端を駆け抜けていた。
新神戸駅を発車してから新大阪駅まで30分足らずで到着し、それからというもの田園が広がる車窓の外を眺めていた。
それが飽きるとケンの興味は移り車内販売へと、集中していく。
そして東京駅から上野駅。
超満員の都電では、ギュウギュウ詰めのおしくらまんじゅうの様で車輌内は湿度と温度が高まり、マフラーを巻いている首に汗が滲んできた。
東京は人口が多いから何時でも何処でも一杯だと、案内役をしていた埼玉県在住の叔父さん(ケンの母の実兄)が言っていたのを小学6年生のケンは聴いていた。
間もなく上野駅の改札を出たら西郷どんが犬を連れて立っていた。
上野
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