第13話 極政(ゴクセイ)
「でも単純に人口を増やしたところで人種ミックスの日本は犯罪の巣窟になってしまわないかなあセンコー?」
「センコーじゃない天野医師だ、GDPには輸出は関係ない!」と言いつつも、良く勉強しているネ?と、三咲の博学に舌を巻いていた。
「だけど、中共のやることには皆そればかりを視て、ナーバスだけどな!?」
「秘かに外国々籍の人がやっている闇の事、分かっているのかセン?イヤ、天野先生。」うんうんと首を振ってから「いーや、知らん。」相変わらず後ろ手を組んでいて、天井を向き吸音ボードの孔を見ながら吐露していた。
「日本の国土を次々と買収して行くんだ!全部で500ヘクタールにも及ぶという訳だ!」
「しかも対馬は東アジア諸国の資本によってリゾート開発されているんだぞ!?」
「このまま行くと日本は外国資本に蝕まれてアンチガバナンス状態の国になっちまうんだ、よね天野センセー?」ええッ!両手を万歳した! お手上げ状態だった。
病院敷地内にある「林檎と蜂蜜」のカリー公園も人手に渡ろうとしていたからだった。
外国人が日本の水源地に当たる山奥の山林や宅地を買い漁っていることをニュースで理解していた三咲はそれを憂いレディース紅生姜の部下と共に市役所の市長室へ訪れて「外国人の日本国土買収を阻止してくれ!」と、直談判したが、「それは国土交通省の仕事だよ?貴女の決意が強いなら衆議院に立候補して国交相にでもなるんだな!」と、けんもほろろに追い返されていた。
この経緯を三咲から全て聴き、三咲の主治医は「そうなのかー、まあ政治家は利用できる物は何でも食らい付き用が無くなれば容赦なくポイッ!だからねえ。」半笑いで三咲をマジマジと観た。
「義理人情に熱い極道とエライ違いだよ?」
「庄屋さんも強者に媚びへつらう極道の政治家になっちゃいかんよ?」両手を白衣のポケットに突っ込み出て行く前に
「極道の政治家たち。」二歩歩いて止まった。
「ごくせい・・・。」
「なんつってねー。」一人でプププッ!と口に指を当てて両肩を揺らしながら地味な笑いを繰り返した後、病室を出て行った。
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