第2話 さらば Barriegirl
令和2年クリスマス。
ガンメタリックのアルファロメオがスムーズに後方駐車をする。粉雪がチラついていた。
あれは43年前、あのときと同じ鈴蘭の丘パーキングで。
鈴蘭の丘にも粉雪がちらついていたかもな? 忘れた・・・。
ドゥルン! スピードスターのエンジンを切りグローブを脱いだ。
赤いマッキントッシュの中からスタンウェルの青パッケージを取り、肺が飽和になる程の煙を吸い一秒だけ息を止めた。
フゥーッ!と肺胞の白い煙を吐いたらラジオから女性大臣誕生のニュース速報が・・・、 令和初総理指名の無党派女性大臣のプロフィールが元暴走族レディースの総長だった事が問題で、ましてや彼女の佇まいが県立鈴蘭医科大北医療センターの看護師出身という経歴の持ち主だった事から勅使下向(ちょくしげこう)政権の衆議院議会は俄かに沸き立ち全国を駆け巡るトップニュースとして、何度も何度もニュース速報が流れていた。
「もう、インフルエンサーか・・・。」と、呟きラジオに耳を傾ける。
「半グレの政治家国交相誕生!」それを聴き何故かニヤリと口角を拡げて微笑み続け、二回頷くとともに二拍手をした。
腰までの黒髪をスパッと切ったショートボブの裾を掻き揚げる。
「女性総活躍時代じゃないか、やるねえサキ。」ハッ、としてスマホを取り出す。
「アイルビーバック、フロームナウ。」
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