第34話

「…酔っ払ってる?」


「もー!違います!礼央くんのこと、見てたよ?私は、一生懸命な礼央くん、好き」


俺…?なんにもできない俺?

そんな、はずが…


「…いや、あの…こういうの慣れてなくて」


動揺する。バイト入ったの最近なのに…嬉しいような、恥ずかしいような、どうしたらいいのか?


「考えてみてほしいの」


「…」


「ご飯食べて」


「あ、はい…」


無言で飯を食う。頭がまわらない。

そのまま、漫喫に宿泊することに。さっきのは、保留となった。


「シャワー浴びないんすか?」


「…じゃあ、礼央くん。入り口で待ってて」


「いいっすけど」


お化け出ると思ってる?それとも、さっきのやつがここに来るって思ってる?

華美さんのためなら、待ってるのも苦ではない。


「ごめんね〜大急ぎで浴びたよ!」


髪の毛が濡れていた。初めて見た姿にドキッとしてしまった。いや、俺はいろんな女と風呂入っただろ?


「髪、濡れてます。ドライヤーあるから乾かしたほうがいいっすよ。俺もシャワー行くし」


「あ、そっか!ごめん」


華美さんはちょっと天然。髪長いから、乾かすの大変そうだなぁ。シャワー浴びて、華美さんが出てくるのを待って、部屋に入る。


「隣にいるし、なんか用事あったら叩いていっすよ」


「うん、ありがとう。仕事は?明日何時?」


「昼から。そっちは?」


「昼からお仕事だよ。一旦、家帰るから、9時までには起きたいな」


「そっすね」


「おやすみー礼央くん」


こんな言葉聞けるとか夢か?


「おやすみ、なさい」


はー、疲れた。寝るか。


翌日、目が覚める。ここどこ?あー、漫喫だ。何時…もう9時前。

起きて隣のドアを叩くと、返事なし。

寝てるか?しかしドアノブ回すと開いた。

げ、鍵してない。


「華美さん?」


無防備に床に寝転がってる。なぜ?


「…あ、礼央くん、おはよう」


「ドアの鍵は…」


「あ、トイレ行ってそのままだった!」


「あぶね」


「ほんとだ。起こしてくれてありがとう」


寝起き…

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