第33話

「礼央くんって呼んでって言われたけど、年はいくつなの?」


「…華美さんと同じくらい?」


「そうなの?じゃあ普通に敬語じゃなくていいよ?」


「や、俺はただのバイトだし」


「私もバイト!」


「あー、そっすね」


てか敬語あんまりしゃべれてねーけど。


「…終電、逃しちゃったから、この辺でどこか泊まるとこあるかな?」


「漫喫は?」


バンドマンが泊まったりすることもあるって、先輩が言ってた。


「1人で、ちょっと入りにくいよ」


「俺も行きましょうか?」


「礼央くん」


「はい?」


「泊めてもらえる?」


え…目があってる。いやいやいや!


「…そ、それはだめっすよ。そういうのは、す、好きな男を誘う時使うやつ…です」


「そうなの?よくわからなくて」


ほらな。俺だけバカなこと考えてる。


「俺も漫喫隣にとるから、それでいいっすか?」


「うん」


華美さんは、警戒心ないのか?

飯が届いた。食うか。なんか、話しをしないと。


「彼氏はいないんすか?」


「うん」


「いたことは?」


「ないよ?」


「へ、え…」


かわいい顔でもモテないとかあるのか。


「礼央くんは?」


「いない」


「いたことは?」


「ないっすよ」


「じゃあ、私と付き合おうよ」


…は?

箸を落としていた。


「…は?…ど、どうして?」


俺の妄想のはず。いや、妄想の台詞。


「…私、礼央くんのこと好きだから」


告白…された?

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