第19話
「よっす、お前遅刻しなかったな」
専務の弟…トラさん?って呼んだらいいのか?
この人たぶん遅刻。
「お前の紹介だけど、こいつ名前知らなかったぞ」
「てか兄貴の紹介だから俺もよく知らねーんすよ」
「お前の兄貴って、年上だろ?」
「そっすよ?そんでラブホで仕事してたこいつを気に入って持ち帰ったらしいんすよー。まじ意味わかんね」
「はぁ?なんだそれ」
説明になってない。トラさんは、本当に専務の弟なのか怪しくなってきた。頭悪すぎる。
「まぁ、いいけど。トラ、掃除教えてやれ」
「うっす。おい、ついてこい」
なんだよ。まったく。命令すんな。
「この部屋の掃除な〜、まー適当にしとけ」
「俺、掃除ならだいたいできます」
「あー掃除してたってか」
「はぁ」
トラさんの説明は適当だったので、自分流にしよう。
「ま、こんなもんか。トイレ掃除もしろよ。女のトイレもだぞ?あいつらまじ汚くするからよー。まじ汚ねぇーときあっから」
「慣れてます」
「…じゃ勝手にしろ。さっき行ったとこ掃除しろ」
「はい」
「俺は他にやることあるからよぉ、終わったら先輩のとこ行け。受け付けな」
さっき話した人のとこか?ま、いいや。勝手にしよ。
誰もいないし楽勝。割と適当に掃除されてたから、掃除してない箇所を重点的に掃除した。
「終わりました」
「悪いな。わからないことなかったか?」
「ゴミとかは?」
「あぁ、それはな」
斉藤さんは優しく教えてくれた。
でも、足が悪いらしくて迷惑かけるかもと言われた。そんなの俺がやればいい話。
「あ、の…」
「なんだ?」
「俺にもっと仕事下さい…だいたいできるので」
「おう、助かる」
褒められた。
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