第12話

「名刺もらった」


事務所には、くつろいでるおばちゃん1人だ。


「は?あの人たちそういう店の人だったの?捨てなさい」


「違うみたい…」


もらった名刺を差し出す。


「なに?…建築?どういうこと?なんで名刺くれたの?」


「なんか…仕事一緒にしないかって…よくわからないけど、バンドの受け付け?」


「怪しいわね…」


「…よく来てる人たちだし、悪い人には見えなかったけど…。仕事したかったら連絡くれって…あ、おばちゃんとも話したいって」


「…なんで?」


「さぁ?」


「礼央、その仕事したいの?」


「え…っと、よくわからない」


「おい礼央ー!お前いつまで掃除してんだよ!俺の仕事増やしやがって!」


うるさいやつが戻ってきた。


「汚かったからしょーがない」


「まじか!いつも部屋綺麗にしてる人だろ?美人の子を毎回連れてきてるやつ」


「…それが、あれは嫁なんだって」


「は?礼央しゃべったのか?まじ?」


めんどくせー


「そんで、これもらったんだと」


おばちゃんは名刺を差し出す。


「名刺…?社長?」


「そうらしいのよ…礼央に仕事しないかって誘ってるのよ」


「はぁ?こんなとこに礼央が?」


「いや、なんかバンドの受け付け?」


「関係なくね?」


「そ、そうだけど…」


いまいち話がわからなくて。適当に聞いてたせいだ。うーん、連絡どうしよう。

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