第9話

「…気付いたら、いつのまにかたくさん飲んでた」


「…大変すね」


「いや、いいけどさ」


「…いや、まじ大変すね、はいタオル」


「ごめん…着替えとかある?」


「え?そんな吐いた?」


「いや…そうじゃない。普通にトイレだよ。てか、俺のせいなんだよな…ちょっと遊びすぎててさぁ…」


「…まじすか。ここでなにしたんすか?」


「そこまでは言わねーよバカ」


店員さんになんて口の聞き方をしているんだか。ごめんなさい。


「手首縛ったんすか?紐あったし。捨てたけど」


ちゃっかりチェックしてるし!


「…そ、そうだねぇ。それは俺準備してなかったんだよ?でもさぁ、四季さんが持ってきててね?俺が縛られてたんだけど…逆だとめちゃくちゃ楽しいから遊びすぎたな…」


「てか、着替えないんすかー?」


「…乾燥機、いやいい。ごめん、バスローブ、借りるから…服買いに行く」


大急ぎで着替えさせたり、片付けたり慌ただしくした。


「四季さん、大人しく座って待っててよ?服買うから」


トイレに取り残し、また部屋を見たら、少年は鏡拭いてる…丁寧だな。


「服、買ってくるから、外に出歩かないように見張っててほしい。金払うから、この部屋に誰も入れないでよ?」


「え、俺まだ掃除途中だから誰も入れねーよ」


「ドアも開けるなよ?なにかしたら通報するから!じゃ、よろしく」


「うーわ、怖っ」

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