第8話
俺の確認不足である。もー、四季さんのせいだ!
少年は部屋をせっせと掃除してる。若い子が掃除してくれてたのかと思うと、なんだかいたたまれない気持ちになる。だいたい掃除はしてるけど、人の使った部屋を掃除するとか、ほんとこの子はすごいな。仕事は金のためにやってるのかな?
「あなた」
あれ…部屋に四季さん戻ってきた。そんな長居したつもりないのに。車で寝てたと思ったんだけどな。
「なにしてんのよ。置き去りにして。ここにいるってフロントで聞いたから来たけどーなに?掃除の手伝い?」
しれっと言う四季さん。掃除って、ゴミ袋のこと言ってる?
「違うよバカ。忘れてたから」
仕方なくゴミ袋に入れてたブラを取り出す。
「あれ?私の?」
「そう。着て帰るよ。はい」
「忘れてた。着替えよーっと」
受け取るやいなや、着てたシャツのボタンをさっと開ける。
「こ、こら!」
乳出すな!
「もーなにすんのよー」
止めてるのになぜか脱ごうとして無駄に暴れて。そのまま壁に下がって、床に座った。
「え、四季さん?」
寝たのか…?はだけてるしまったく。シャツのボタンを止める。
「見られちゃうでしょーが」
「…あ、さーせん見ちゃいました」
あーまったくだ!少年にサービスとか!四季さんめ。
「えー見たのかよ」
「出したじゃん」
「…そうだけど」
「掃除まだ終わってないんだけど?」
「…ごめん。ちょっと着替えさせたいから…」
無理言ってるし俺…。
「じゃ、先に風呂掃除しとくんで」
まじでごめんな。…酔っぱらいな四季さんを着替えさせる。
「よーし、着替え終わり。ほら、帰るよ」
「ねートイレ〜」
起きてそれ言うわけ?もー四季さん。
「今なの?」
「もうここでいい?」
「ばか待て!ちょ…ごめん掃除中!」
ユニットバスのドアバンバン叩いて勝手に開ける。
「なんすか?着替え完了?」
「うん、そう!トイレ借りるね!四季さんほら、立って!」
さっと少年はそこから出てくれた。
「ねーここでいい?」
「だめ!早く!こっち!」
バタバタしてドアを閉める。
あーー、泥酔させてしまったのが悪かった…。
うーん、まいった。
四季さんはトイレに置いて、少年を頼るしかない。
「ごめん、タオルない?」
「ありますけど…泥酔?」
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