転生した文豪作家は本がお好き

白狐

第1話  文豪作家は本が好きすぎる

私は、新川 健 (にいがわ たける)というものであります。

文豪作家と言われる職業についていた。文豪作家にはよくあることだが、私は本が好きである。特に、「吾輩は猫である」や「檸檬」などの有名な文豪は桁違いに好きであり、本はもはや恋人である。しかし、その本好きが裏目に出てしまった。ある朝、いつも通り本屋へ行き新しい本を買った。我慢できずに本を開き、読みながら歩いていると向かいに馬車が来たようだ。いつものことなのであまり気に留めずに歩いていると、いきなり馬が暴れ出した。私は本に夢中で、喧嘩かと思い歩いていた。すると、馬車が私に当たり運悪く橋だったあげく川に落ちてしまった。私は覚悟した。本と一緒に心中できるなんて…。幸せだったな。などと私の人生は良かったと安心しつつも生きたいと願っておりました。

ふと、水の中に一筋の光が見えました。何やら誰か探しに来たのかと思い安堵の表情を浮かべておりました。

しかし次の瞬間、私は暖かく明るいところにおりました。

一瞬で息ができるようになったことに驚き目を開けました。

すると何やらぼやぼやした人影が二人見えました。

何やら話しているように思えます。

若い男の方と女の方がいらっしゃいます。

私は何がなんやらわからなくなっています時に女の方に抱き抱えられました。

その時その方が初めて口にした言葉をよく覚えております。

「初めまして。私の可愛いアルツと申したのであります。」

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