社会科狂騒曲

社会科の教科書を見てごらん

大事件しか描かれていないでしょう

本当は、世の中はもっと細々としているはずなのに

つまり社会って細々としたことは無視するものなのさ


歴史の勉強とは悲劇を繰り返さないためのもの

にもかかわらず僕らは勝者の立場からしか学べていない

だって暗い話より明るい話の方が楽しいもん

それでもいい そして歴史は繰り返される


一人の愚かな王様に世の中をめちゃくちゃにされた

と考えて責任転嫁した方がいろいろと落ち着くのだ

彼を裸の王様にしたのは僕ら“みんな”

社会を狂った空気にしてしまったのはその社会の構成員


でもみんな面倒な真実に目隠ししてる

社会が辛いのは

“社会は辛いのだ”と

誰もがそう思っているからなのです


ねえちょっと落ち着いて考えてもみてよ

総理大臣やら首相やら大統領やら

王様が変わっただけで平和が訪れるとでも思ったの?


全ては社会のせい 全ては政治のせい

社会が良くなれば僕らは仲良くなれる

政治が良くなれば僕らは幸せになれる


だから僕らは仲良くなれないし幸せになれないんだ

だって全ては人のせいで誰かのせい

何もしない僕らだから何の責任もないままだもん


「社会が悪い、社会のせいだ!」なんて‼︎

ねえそんなの今頃気づいたの?

だって社会ってそういうものじゃないの

だってそう思っているんでしょ?


都合の悪いことはみんな社会のせいで政治のせいだから

僕らは決してお互いでお互いを大切にしようなんて思わない

みんな魔法の杖を待ち望みながら何もしない

大切なものを失いながら

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