第2話.登録と初ダンジョン
学校が終わり、親に同意書を貰った俺はさっそく探索者登録するために、探索者協会に来ていた。
因みに探索者協会とは、50年前にダンジョン民間化を進めるために政府が主体となって設立した国営組織だ。
平日だがそこそこの人数が並んでおり、協会のポスターを遠目で見ながら20分ほど待つと、自分の番が来た。
「ーーー探索者協会へようこそ。登録ですか?それとも依頼ですか?」
「登録です!」
「分かりました。ではまず年齢確認のための身分証明書。それから高校生の方は保護者の方の同意書をお願いします。」
「はーい。」
俺は鞄に入れていた生徒手帳と同意書を取り出し、カウンターの上に置いた。
「えーっと、お名前が
「はい。大丈夫です!」
「それでは今から職業とスキルの発現を行ってもらい、それが完了したら探索者登録完了となります。探索者証明用のカードは無くして再発行する場合1万円ほどかかるのでなくさないように気をつけてください。」
「はい!分かりました!」
「それでは篠宮様。これに手を翳してください。」
そう言いながら受付のお姉さんが取り出したのは丸い水晶玉のようなもので、透明に透き通った占い師が持っている玉によく似たものだ。
この玉に手を翳すと今まで眠っていた職業とスキルが活性化するという、ダンジョン出現と同時に各地に現れたという神器らしい。
俺は言われた通りに水晶の上に手を翳すと、全身から力が溢れ出し全能感に包まれた。
「おぉ………なんか凄いな。これ。」
「はい、もう手を離して大丈夫ですよ。これが探索者のカードです。まずカードについての説明ですが、探索者のランク上昇に応じてカードの更新がされます。
次に自身のステータスはカードに登録されていくのでダンジョンに入る前にご確認を。
それと探索者のスキルはあまり地上では使わないこと。探索者の喧嘩は厳しい罰則があるので気をつけてくださいね。
最後に、探索者としての心得ですが、命大事に、です。
では、これから探索者として頑張ってください。あなたの活躍に期待しています。」
「はい!ありがとう御座いました!」
こうして俺は、無事に探索者となった。
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「やってきたぞ!初ダンジョン!」
探索者登録を無事に終えた俺は、近所にある第316ダンジョン前に来ていた。
ダンジョンにはそれぞれ番号が振り当てられており、それぞれ登録された順番がダンジョンの名前となっている。
第316ダンジョンは起伏が少なく見通しがいい平野のダンジョンで、出てくるモンスターもゴブリンやコボルトといった余り等級の高くないモンスターが出現する。
ダンジョンの前には常に夜間交代制の警備員が1人立っていて、探索者のカードを持たない未成年などがダンジョンに入らないように規制している。
その警備員にカードを見せ、俺はダンジョンの中へと足を進めた。
「おぉ…………これがダンジョン!話には聞いてたけど、ほんとに空がある。それに物理的に有り得ない広さだ。マジでダンジョンって不思議だな!」
そう一人テンションを上げた冥は、初めてのダンジョンにワクワクしながら足を進めていくのだった。
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