美少女が俺に水着姿を見せてくれるんだが

ショッピングモールの水着コーナーでアリシアとばったり会った。彼女はかごに沢山の水着を入れていてそれをすべて買うのか……。


「本屋と言い偶然だね」


「本当だね」


アリシアはクスッと笑う。つられて俺も笑う。ただ水着コーナーの為か少し恥ずかしい。アリシアはアメリカ人だからなのな対して気にしてないりように見える。


「………それもしかして全部買うの?」


「ええ、全部良さそうだったから」


「お、大人買い。いや富豪買い」


「いちいちお店で迷うのは嫌なもの」


本当に全部買うなんて、アリシアにとっては普通のことなんだと思う。


「確かに、アリシアならどれも似合いそう」


「へぇ〜どれも何だ」


なにその含みのある言い方。なんで笑ってくるの? いや笑ってくれるのは嬉しいけど、悪巧みしてそうな顔。


「じゃあ、どれが一番似合ってる?」


そう言うとカゴから1枚水着を取ると自分の体に当てて鏡の前で何を着るか迷うように俺に見せつけてくる。


アリシアの持っている水着はビキニであり、露出が多い。想像してしまう。学校のプールの授業の新しく導入されたジェンダーレスのマリンスーツのような水着とは違い、肌がよく見える。ただでさえスタイルが良い。


「見てみたい……」


しまった!? 思ったことを口に出してしまった! 欲が、欲が出てしまった。流石にアリシアもドン引きなんだろうな……


「いいよ」


そう言ってアリシアは俺の手を引いて歩き出す。


「あえっと、どこへ」


「決まってるじゃない。見たいんでしょ? 試着室」


着替えて見せてくれるってこと……!? え、マジで、嘘。


「まだ心の準備が」


「なら私が着替えてる間に済ましてね」


「アリシ………ッ!」


俺の手を俺自身の口に当てて静かにのポーズを取らされる。アリシアは試着室に入っていく。


凄くドキドキする。口にある手を下げて胸に当てる。強く早く鼓動しているのがわかる。


ゴク。


楽しみで仕方ない。カーテンの向こうから服が擦れる音がする。脱いでいるのだろうか、いけないことだと心の中で思ってはいるのに聴力に全集中してしまう。


水着を着るということは一度全裸に………想像するだけでも鼻血が出そうだ。


シャッー


カーテンの開かれる音がする。


「どう?」


無地の青いビキニは程よい大きめの胸を少し引き締めて露出している体のスタイルを強調している。かけた眼鏡とポニーテールも合わさって少し背伸びして大人びた感じを見せる。


「お、大人っぽいです」


「ありがとう……実際泳ぐ時は変装しないから渡しておくね」


そう言って眼鏡と髪留めのゴムを渡してくる。またカーテンが閉められる。


1人ファッションショーをしている気分だ。俺にだけ見せてくれている。プライベートを楽しんでいる有名人には何も干渉しないのがマナーだけど、今の俺は結構踏み込んでいるきがする。いくら友人でも、後々見せると分かっていても、試着室で見せてくれるなんて、俺だけ特別扱いされている気分で、どうしよう……好きになっちゃいそう。


「これはどうかな」


ワンピースデザインの水着、下ろした金髪と相まって清楚感が強く可愛らしい。


「落ち着いたら感じがする」


「でも泳ぐのには少し向いてないかな」


次にフリルデザインの水着を着て見せてくれた。


ビキニより布面積が増えてフリフリもついている。そんな可愛らしい水着だけど見えるお腹の細さが少し際立つ。着ている水着は大人っぽい、本人もスタイルが良く少し大人っぽい。なのに少し子供っぽい印象もある矛盾。


「なんというか、言葉に表せられないけどなんか良い」


「なにそれ。でも言葉に表せないのは心の中で本能的に惹かれてるかもしれないって考えると一番良いと思えるかも」


その言葉にドキッとしてしまう。そう言われてしまうとこれが一番の好みと思ってしまいそうだ。アリシアはまだきたい水着があるとまたカーテンを閉める。


カーテンを開けるとバンドゥビキニを見せてくれた。


「海岸を歩くのに一番絵になりそうだから、別当に持ってきいきたいな。て、ちょっと気合い入りすぎかな」


「綺麗……」


パッと見て、そう思ってしまった。口に出した。さっきから目が離せなかったが、これを見た瞬間、手の力が抜けて緊張も何もかも吹き飛んだように見惚れてしまう。


「……」


胸元についたフリフリは少しの風で目を向けササてしまいそうで、よく見なければ胸の大きさは分からずついつい見入ってしまう。スカート型の下は風がない分靡かないが全体の完成度の高さと美しさから勝手に夕日の海岸に立っている景色が映し出されてしまう。髪色も含めて全体的に明るい色は華麗で、まるで女神の様に見えてしまう。でと同時に麦わら帽子が身近な存在と認識さしてくれる。


手を伸ばしたくなる。触れたくなる。


「よっしゃ! 勝負水着で気合い入れるか!」


そんな大声でハッと我に帰る。後ろを向くと宮根達が来ていた。そうか、ここはショッピングモール。誰が来ていてもおかしくない………て


「アリシア、いま変装してないかはバレる」


アリシアにそういうと眼鏡もしてないし髪型も変えてないことにきづいたのかハッとする。


「は、早く」


焦って眼鏡と髪留めのゴムを渡そうと手を伸ばす。


「これ格好良くね!? 試着して見えようぜ!」


「間に合わない」


今まさに宮根達がこっちに来ようとしていた。その瞬間、アリシアは伸ばした俺の手からメガネ等を取らず腕を掴んで俺を引っ張って中に引っ張り込んだ。



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