美少女と二人っきりでカフェにいるんだが?
保健室の事から数日がたった。あれから少しアリシアさんの距離がすこし近くなった気がする。皆アリシアさんに話しかけに行くのに俺だけアリシアさんから話しかけられてる。
呼び捨てにしてほしいって言われたけど、できずにいる。クラスの皆が“さん“や”ちゃん”とつけてるのに俺だけが呼び捨てなんてできるわけがない! というか敬語すらやめられない! クラスの皆も流石におこがましいと思っているのか敬語はやめても呼び捨てにする人はいない。
次の土曜日。早歩きに街中を進む。近くの本屋ではなく少し離れた駅近の本屋に行く。ここの本屋はラインナップが凄い。というか近くでここしか置いてない本がある。それを買いに来た。
「あった」
毎月5日に発売している海外の映画雑誌【
ワクワクしながら雑誌を手に取ろうとすると同じ雑誌を取ろうとした人と手が触れた。
「ごめんなさい! 先にどうぞ!」
「ありがとう……日向?」
「へ? 誰?」
同じ本を取ろうとしたのはメガネを掛けた半袖パーカーを着た金髪ショートヘアの帽子の被った男の子? いや声は女の子……というより何で俺の名前を知ってるんだ?
「………えっと、どこかで会いましたっけ?」
俺がそういうと女の子? は知らん顔でそのまま雑誌を持ってレジへ向かった。
無視された……とりあえず俺も買お………
「最後の一冊だったのか……」
噓だろ…………毎月の楽しみが、ネットだと何故か特典がつかないんだよ……。
「一緒に見る?」
不意に耳元で囁かれる。驚いて横を向くとさっきの女の子だった。
凄くドキドキする。もしかして、逆ナンってやつ? も、もしかしてモテ期が!? だ、だとしたらこのチャンス逃さない訳には!
「は、はい!」
「じゃあきて」
手を引かれて店を出る。少し歩いてカフェに入った。奥の方のテーブル席にすわると女の子は対面ではなく隣に座ってきた。
「普通は対面じゃ」
「それだと片方が逆さまで見ることになるじゃない。見ずらいわ」
そう言って店員さんを呼ぶ。
「コーヒーとショートケーキを一つ」
「えっと、紅茶を一つと同じくショートケーキ」
かしこまりました〜。店員さんが離れると雑誌を開く。
「Oh」
1ページ目に飛びこんできたのはワールドロードの撮影中断の内容。楽しみに笑顔で開いてたのに引きつった笑顔になる。
「公開延期にならないと良いな」
そう言って話を進めようとする。確かに雑誌の中身は気になる。でもそれよりも気になる事があった。
「あの、」
「ん、なに?」
「私の名前を知っていましたけど、どこかでお会いしましたっけ」
そう言うと女の子はクスッと笑う。メガネを外して顔を俺に近づけてくる。
ドキッとした。
「変装してたの忘れてた」
「あ、アリ………っ?!」
アリシアさん!? と言い切るまえに人差し指で俺の口をしーっとする。
「声が大きい」
アリシアさんはメガネを掛け直す。
「服の中に髪を入れるとショートヘアに見えるの。フードのおかげで髪の毛が入っていてもわからない。後はメガネと帽子で基本的に別人に見えるの。どう? 」
そう言われて、服装を見てしまう。パーカーに髪の毛をしまう。それだけでボーイッシュな感じが印象に加わる。それだけじゃない。フワッとした長い髪の毛をシュッとしてるし帽子も被った彼女は少し大人っぽく感じる。また違った可愛さが現れる。
「か、可愛いです」
「それだけ? 私は可愛いよ。知ってる。netでも良く言われるもの。それ以外はないの?」
そう言って少し離れて見せつけてくる。
「クールっぽくて、大人びてる感じがします」
「ふふ、ありがとう……それじゃあ、早速雑誌を見ましょうか」
そう言ってアリシアさんは雑誌を開く。
俺の視線はアリシアさんの方に向いたままだ。
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一番好きな俳優はロバート・ダウニーJrです。
2番目にクリス・プラット。
同じだと思った人は★★★お願いします(強欲で貪欲な乞食)
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